あすか vs モニカ
モニカがとらえていたあすかを殴り飛ばす。
その瞬間、ガラスが砕け散る音が部屋に響きわたり、武器を構えていたあすかの姿が粉々に砕け散った。
それは鏡に映し出されたあすかだった。
そして、モニカの斜め後ろに本物のあすかは立っていた。
あすかの手に握られた武器の銃口からまっすぐ伸びる軸線上では、暗い空間の中、埃がちらちらと燃えて舞い落ちている。
明らかにレーザー光線。
あすかが放ったレーザー光線はモニカの腹部に命中した。
ヒューマノイドの厚い装甲はレーザーと言えど、容易には撃ち抜けないが、外装は破壊した。
融け崩れた外装から滴り落ちる赤い液体。
ヒューマノイドは装甲と外装の間に疑似血液が満たされており、外装に開けられた穴から、この液体が漏れだしていた。
血を吹き出している。
そう思う者には、ヒューマノイドにダメージを与えたと油断させる事も可能だが、あすかはそれがただの偽装でしかない事を知っていた。
ただ、モニカはほんの一瞬停止した。
内部に蓄えられている赤い液体の圧力が低下したことで、モニカの電子頭脳は外装の破壊を検知し、この異常事態のための処理が起動された。
この異常処理は外装が破損するような物理的攻撃を受けた結果、関節などの機構部分に破損が生じた可能性もあり、そこにヒューマノイドが持つ巨大なパワーを加える事で、機構部分が致命的な破壊に至るのを回避するためのものであった。
各関節部分を微妙にコントロールし、その結果を解析することで、問題の有無を判断する第一次判定と、それ以降パワーを少し落として活動し、問題の有無を最終的に判断する第2次判定から構成されている。
第1次判定。
問題なし。
そう判断したモニカかが再び起動した。
被弾した位置から、敵の位置は計算済みである。
モニカがあすかの方を振り向く。




