もう必要ない。同盟も、君も。
「どう言う意味だ!
ガンビーナと戦争を起こすつもりか?
ガンビーナとは同盟関係だろう?
私の妹がどうなると思っているんだ」
ロベルトが怒鳴り気味に詰問するが、ボスにとっては全てが想定内であり、動揺したようすもなく、淡々とした口調で返す。
「そうだな。同盟していたな。だが、もう必要ない。同盟も、君も」
その言葉はベルッチの裏切りを決定づけるものだった。
「もう、ガンビーナも私も、用済みと言う訳か」
「まあ、そう言う事だ。
弱小ファミリーが生き延びるため、君の提案に乗り、強力なファミリーとも同盟関係を築いたし、全財産とも言える大金をかけヒューマノイドも作った。
その結果、今や我々は最強と言ってもいい力を手に入れた。
やがて、コミッションとなり、その後にはマフィア全てを従えてみせる。
そう言う将来を我々は選んだんだよ」
そう言うと、ベルッチの屋敷の中に響き渡っているのではと言うほどの大きさで、ボスが高笑いを始めた。
今となっては完全にロベルトを見下している事を、その笑い声が証明していた。
そんな笑い声がやむと、ボスは鼻で笑いながら、ロベルトに提案を出した。
「とは言えだな、君のこれまでの活躍は評価しているよ。
これまでの働きに敬意を表し、君にはこのまま我がファミリーに残ると言う選択肢も用意しているのだが、どうかね?」
「ガンビーナと争っている状況で、そんな話にのれる訳ないだろう」
「そうか。なら、仕方ないな。
君には我がファミリーから、離れてもらうことになる」
「最初から、そのつもりだったんだろうが」
ロベルトが怒気を含めた声でそう言い放った後、受話器を力いっぱい叩きつけて電話を切ると、ボスはその視線を部屋の片隅のソファに座っているアーシアに向けた。




