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就職先は宇宙船の艦長さん  作者: 光晴さん
惑星『オニレルド』~惑星『ドールーン』へ

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第36話 宇宙海賊戦




私たちは今、大きな宇宙船の影に隠れてコレをやり過ごそうとしています。

宇宙空間の影から出てきた宇宙戦艦。

あれは、まるで潜水艦のような宇宙戦艦です。


船体に描かれたあのマークは、宇宙海賊を意味しているマーク。

知識にある、海賊旗と呼ぶマークです。

人の頭の骨にクロスさせる長い大きな骨。


そして、この宇宙海賊のオリジナルの特徴である、背景に書かれた大きな鎌。

鎌を持つドクロといえば、私の知識で『死神』が思い浮かびます。



「……エリカ、あれって……」

「そうだよ、お姉ちゃん。あれが宇宙海賊ってやつらだ……」


ど、どうしたらいいの?!

そんな奴らが狙っているのは、この大きな宇宙船の方。

おそらく、この大きさだからこそ狙われたって…!!


「エリカ!!」

「!!緊急離脱!」


どうしたらいいのか考えていると、いきなり宇宙海賊からたくさんのミサイルが飛んできました。

私たちは、それを回避するため、緊急に大きな宇宙船の影から脱出!


そして、どうにか巻き込まれることはなかった……。




▽    ▽




『ミサイル、全弾命中!』

『……こちらの被害、ありませんわ。シールドと衝撃吸収の効果で無傷ですわ』

「……エヴァ、取り舵いっぱい!」

『了解!取り舵っ!』


操縦席に座るエヴァが、姿勢制御スラスターとメインスラスターを操って、宇宙船『アーサー』の向きを九十度変える。

すると、今までいた場所に、宇宙海賊の宇宙戦艦が突っ込んでいた。


しかも、突っ込んできた宇宙戦艦の先端は、鋭い杭のようにとがっている。

宇宙空間で、体当たりをしてくるとは……。

ミサイルなどの攻撃が効かないなら、直接攻撃に切り替えたってわけだ。


それにしては、二隻しかいないのに、突っ込んでくるとはね……。



『再びミサイルの発射を確認!』

『全弾命中後、再び宇宙海賊の宇宙戦艦が突っ込んでくる確率97パーセント!』


そして、ミサイルはシールドと衝撃吸収の効果により効果なく、宇宙海賊の宇宙戦艦の突撃の目くらましに使われているだけみたいだ。

勿論、そんなモノを受ける気もないので、回避に徹している。


「エヴァ、再び取り舵いっぱい!」

『了解!取り舵いっぱい!』


再び姿勢制御スラスターとメインスラスターを操り、宇宙船『アーサー』の向きを九十度変える。そして、今までいた場所に突っ込む宇宙海賊の宇宙戦艦。

それの繰り返しだ。


これを、援軍到着まで繰り返すわけにはいかない。

そこで、武器の無いこの宇宙船『アーサー』でできることを探し、エヴァに指示する。


「エヴァ、取り舵いっぱいだ!スラスターめいっぱいふかして、突っ込んでくる宇宙船にぶつけてやれ!」

『!了解!みんな!衝撃に備えて!!』


そして、エヴァは操縦席でいろいろと動かす。

足元のペダルを思いっきり踏み込み、スラスターをふかした!




▽    ▽




「くそっ!当たらねえ!」

「親方!また避けられました!」


親方と呼ばれた男は、足元にあった箱を蹴り上げる。

襲撃がうまくいかないことのイライラを解消しようと、八つ当たりをしたのだ。

そして、蹴り上げると、すぐに気持ちを切り替えて次の行動に移る。


だが、ここで、ターゲットが思いもよらない行動をとった。


「親方!ターゲットがッ!!!」

「何だっ!!!」


大きな衝撃が、宇宙海賊たちを襲う。

中には、ブリッジの床を転げまわる者もいる。

左からの衝撃……援軍か?!


「ビッキーの奴!索敵忘れてんじゃねえのか?!」

「お、親方!」

「襲撃失敗だ!すぐに逃げるぞ!」

「わ、分かりました!」


すぐに本船である潜航宇宙戦艦『ドルガード』に作戦の中止と、逃走を知らせる。

そして、俺たちもこの宙域から脱出だ。


「長距離ワープ!緊急脱出だ!」

「了解、長距離ワープ起動!」


………しかし、いつまでたってもブリッジからの景色が変わらない。

ワープした時は、見えている星が線のようになってこちらに流れてくるのに、何も起こらなかった。


「どうした!長距離ワープだ!急げ!!」

「だ、ダメです親方!さっきの衝撃でワープエンジンが沈黙したままだ!」

「……つ、通常航行でこの宙域から脱出する!メインブースターを…「親方!」」


俺がまだ指示を出している途中で、外を見ていた手下の一人が指さした先を見ろと知らせる。

俺がそっちに視線を移すと、そこには俺の弟ビッキーの奴が指揮している潜航宇宙戦艦『ドルガード』が、赤い宇宙戦艦から出たワイヤーのようなものに絡まって捕まっていた。


というか、あの赤い宇宙戦艦は何だ?どこから出てきた?!


「す、すぐに逃げろ!俺たちもっ!!」

「ガァっ!」


俺の乗る宇宙戦艦全体を揺らす衝撃。

その衝撃のおかげで、俺は床に頭を思いっきりぶつけてしまった。


「……く、くそ、こ、こんなところで……」


そのまま、俺は気を失ったようだ……。




▽    ▽




私たちは、何とか緊急退避後の船体をスラスターを使って、姿勢制御に成功すると宇宙海賊から見つからないように事態を見守っていた。


ミサイルを撃ち込まれても無傷みたいに見える大型宇宙船。

撃ち込まれたミサイルに、気をとられているうちに大型宇宙船に突っ込んで中への侵入をしようとする突撃宇宙戦艦。


さらに、ミサイルを撃ち込んだ後潜航をして身を隠すもう一隻の宇宙戦艦。


この三隻の攻防が繰り広げられているうちに、離れていたところから見ていた私とエリカだけが気付いた、ワープアウトしてきた赤い宇宙戦艦の部隊。

その数六隻。


ミサイルを発射した後、潜航しようとした宇宙戦艦へ二隻の赤い宇宙戦艦がワイヤーのようなものを射出!そのワイヤーに絡まれ、潜航できなくなった宇宙戦艦。


後は、別の赤い宇宙戦艦が近づき、中へ突入。

しばらくして、制圧したようだ……。



また、突撃宇宙戦艦は、大型宇宙船の反撃により、船体の左側を損傷。

損傷した直後は、その箇所から見えていた青白い光が、今は消えている。


そして、仲間の宇宙戦艦の様子を見たのだろう、すぐにこの宙域を脱出しようとメインスラスターをふかしていたが、赤い艦隊から射出されたワイヤーのものにからめとられ、あえなく捕まっていた。




『そこの小型宇宙戦艦、応答しなさい。応答がない場合は捕縛します』


その声が聞こえたのは、宇宙海賊の二隻の宇宙戦艦が捕縛されてから二分ぐらいしてからだった……。








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