表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
就職先は宇宙船の艦長さん  作者: 光晴さん
惑星『オニレルド』~惑星『ドールーン』へ

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

31/217

第31話 亜空間航行中のひととき




亜空間航行、四日目。


惑星『オニレルド』へ向けて亜空間航行をしている中、俺は一人ブリッジでナンシー班長からの資料に目を通していた。

これで、何度目か分からないが、毎日こうして資料に目を通している気がする。


やはり、宇宙海賊との遭遇体験をするためとはいえ、みんなを危険にさらすというのはどうもな……。



『マスター、昼食をお持ちました』

「コウスケ、今日のお昼は『ギュウドン』だぞ!」


資料を読んでいるところへ、カレンとニニシアさんがブリッジに入ってきた。

今日の昼食は、牛丼か。俺の好きな丼の上位に入る丼だ。


「ありがとう、さっそくいただくよ」

『では、ここに置きますね』


カレンは、持ってきた料理を艦長席の隣にある机の上に置く。

この机は、斜め後ろのカレンとのやり取りのためにある机だ。時々、紅茶やコーヒーを持ってきて、宇宙空間の景色や惑星なんかを眺めながら休憩していた。


「で、何を見ていたの?コウスケ」

「今回の依頼に関する資料ですよ。惑星『オニレルド』のこととか、配達先の惑星『ドールーン』のこととかですね」

「ほぉ~、コウスケは仕事熱心だね~」


亜空間航行に入ってから、暇なのかよく俺の仕事を見学に来る。

といっても、見学するようなことはないから、もっぱら俺の部屋で本やらゲームやら映画鑑賞やらだ。


『マスター、ついてますよ?』

「ん?」


そう言って俺の顎についていたご飯粒を、カレンが指でつまんでとってくれた。

……なんか照れ臭いな。


考え事をしながら食べると、ご飯粒がついていても分からないものだ。

それにしても、何でニニシアさんは俺のことを『コウスケ』と呼ぶのかな?


「ありがとう、カレン」

『いえ』

「……そういえば、ニニシアさん」

「ん?どうした」

「何で、俺のこと『コウスケ』って呼ぶんですか?」


「苗字が『コウスケ』だからだよ。

私も『ニニシア・クーボス』だけど、『クーボスさん』とは呼ばないだろ?

だから、私も『カトウ』じゃなくて『コウスケ』」


……それって、苗字と名前が逆ってことなんだろうか。

日本人は、苗字が前で名前が後ろ。海外だと、名前が前で名字が後ろ、ということか。……まあいいか、困ることもないし。




「ごちそう様」

『美味しかったですか?マスター』

「ああ、店を出してもいいぐらいに、美味しかったよ。

また、作ってくれ、カレン」

『はい、分かりました』


そう笑顔で答えてくれるカレンは、嬉しそうに空の丼を岡持ちに入れる。

何故、岡持ちがあるのか。

それは、ブリッジなどに料理を運ぶのに便利だからだ。


日本で休日を過ごしている時に、売っていたから衝動買いしてしまった。


「コウスケ、またコウスケの部屋で本とか読んでいいの?」

「マナルルさんも一緒なんでしょ?

あんまり、散らかさないでくださいよ?」

「うむ、ありがとう!」


そう言うと、岡持ちを持ったカレンと一緒にブリッジを出ていく。

再び、俺一人となったブリッジで、もう一度資料に目を通し始める。どうやら、俺は緊張しているみたいだ……。




▽    ▽




亜空間航行、八日目。


「う~ん、やっぱ貿易しないと資金がな……」


この日は、朝食の後から自分の部屋に籠ってゲームをしてた。

ブリッジで、資料にばかり目を通していても、何も変わらないしな。

何か新しい情報があるわけでもないし……。


「難しいゲームをするんだな……。

ところで、海賊討伐はしないの?」

「今は戦力が足りませんからね、ここは貿易で資金を稼がないと」

『マスター、酒場で仲間集めをしないとレベルが上がりませんよ?』


「おっと、仲間集めを忘れていたな。ありがとう、カレン」

「……仲良いんだな、コウスケとカレンは」

「まあ、俺のパートナーですからね~」


『パ、パートナー……』


何かカレンが、赤くなってる。

アンドロイドが、そんな反応をするとは、意外だった。

まるで、人間のようだな……。


「お嬢様、この本、おススメですよ」

「マナルルの薦めてくる本は、いまいち面白さが分からないだよね……」

「お嬢様だって、同じようなものじゃないですか~」

「何を言う、私の薦めた本は面白いじゃない!」

「この本のどこがおもしろいんですか!ロリだの幼女だの、わけが分かりませんよ!」


……ロリや幼女が出てくる本って、俺買っていたか?

いや、あるんだから買ったんだろうな。


でも、どんな物語だったかな……。




▽    ▽




亜空間航行、十日目。


宇宙船『アーサー』のブリッジに、全員がそろっている。

もうすぐ、亜空間航行を解いて通常の宇宙空間に戻るのだ。

つまり、惑星『オニレルド』に近づいてってことだ。


『ワープアウト!』


エヴァがそう言うと、ブリッジから見える景色が、光のトンネルから光の線に変わり、通常宇宙空間になった。


『ワープアウト成功!船体、異常なし!』

『周辺の索敵完了!惑星『オニレルド』から約十万キロの距離のようですわ』


十万キロか。

これが遠いか近いかは、月と地球の距離を考えると結構近いことになる。

月と地球の距離は、約三十八万キロある。

それを考えれば………ほら、見えた。


『前方に、惑星『オニレルド』確認しました』

「おお、あれが惑星『オニレルド』か……。地球と同じ青い星なんだな」

「コウスケの母星も、青いのか?」

「ええ、あそこに見える『オニレルド』と同じように、ですね」


惑星『オニレルド』には、三つの月がある。

それぞれ大きさが異なるが、一番大きな月である『ブルカ』が手前に見えて、その奥に惑星『オニレルド』があり、その左右に小さい『オーレル』と『バッケ』の月が確認できた。



さらにさらに、惑星『オニレルド』に近づくほどに見えてくるのが、円筒型のスペースコロニーの群だ。

ザッと確認できただけでも、五十はあるようだ。


「コウスケ!あの筒みたいなものは何だ?!宇宙船か?!」

「お嬢様、あんな大きな宇宙船があるわけないですよ!」


ニニシアさんもマナルルさんも大興奮だ。

おそらく、彼女たちの惑星『スライブ』には、スペースコロニーがないのかも。

カレンが、二人に説明している。


しかし、ここはすごいな。

スペースコロニーがこんなにもあって、これ一つ一つに人々の生活があるんだものな……。どこかのロボットアニメみたいで、俺も秘かに興奮していた……。









評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ