表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
50/84

第21話 リュウガ族⑧

久々の更新ですが、会話多い。。。

――なんだって!?


 魔力解析してみる。死体がズタズタで分かりづらいが、よく見ると確かにホムンクルスだ。

 だけど、黄竜でもなければ分からないレベルで精巧だ。

 そんなレベルのホムンクルスを一度だけ見たことがある。

 以前、ゴルゴンゾーラの建物に侵入したとき、奴を護っていたホムンクルスである。


 あの時のホムンクルスも、拘束してよく見なければ分からない程精巧だった。

 だとすれば、ズーユィンが!?

 どうする? 言うべきか? これがホムンクルスであれば、本物のダイシャードは恐らくまだ生きて……


ところで(・・・・)マーリン殿は(・・・・・・)?」

「それが、どこにも……」


 ああ、うん。マーリンは僕の中にいて、マーリンの体だったケイオルカは今ゾーハン達が使って……

 ちょっと待ってストップ。何その訝しげな視線。


 僕は咄嗟にケイオルカを転移門(ゲート)で呼び寄せ、その瞬間にマーリンをケイオルカに移す。

 マーリンは直ぐにゲートで何処かに再び転移した。ケイオルカはまだ砂ネズミの姿だったから、誰にも見られなかったはずだ。


「まさか……マーリン殿がダイシャード様を……?」

「ちょっと待ってくれ。まさかマーリンを疑ってるのか? 僕たちは戦争を止めに来たんだ。ダイシャードはそれに協力してくれている。」


「そもそも、クリスティア殿とマーリン殿は何者なのですか? どこでそれ程の実力を身に着け、どこで知り合われたのですか?」

――二人ともドラゴンです。書架のスキルコピーでこんなに強くなりました。とは今言えないよなぁ。


「そもそも、ダイシャード殿は蛮族で最強の戦士です。それを殺せる者など限られています……。」

「そうだ。マーリンでも難しいはずだ。蛮族の気は特に魔法防御力が高い。」

「では誰が!?」

「……ズーユィン。奴なら可能だ。」


――そうだよ! 最初からこの流れで行けば良かった! これならこの死体がホムンクルスだと証明しなくても……

「ズーユィンって、さっき言ってた魔導士の協力者かぁ? 嬢ちゃんより強いとかいうぅ?」

 ウスランが会話に入ってくる。


「そうです。誰にも気づかれずにこんなことができる者は限られている。」

「そいつが何で小僧を殺したぁ?」

「ゴルゴンゾーラはレナード王国に復讐したがっていました。ズーユィンはそれに協力している。だからダイシャードが邪魔だったのでしょう。」

――そう。ダイシャードが邪魔だったはずだ。じゃあ、なぜ殺さずにホムンクルスなんて出してきたんだ?


「……じゃあ、なんでそのゴルゴンゾーラは今ここにいねぇ?」

「……というと?」

「だからぁ、王国に復讐すんのが目的だったなら、なんで中途半端で消えちまったぁ?」


――ああ。そこまで戻るのか。

「それは、たぶん僕がいるからです。ズーユィンはあくまでもゴルゴンゾーラの協力者だ。表立って直接僕と闘うのは避けたいんだと思う。ゴルゴンゾーラに僕を倒させたい。だから陰に隠れたんでしょう。」

「陰……ねぇ。気になってたんだがよぉ。嬢ちゃんら以外でそのズーユィンて奴知ってるやつぁいるかぁ?」


 ディグダッドが前に出る。

「儂が知っておるよ」

「ディグダッドかぁ。お前から見てそのズーユィンって奴はどんな奴だったぁ?」

「……実力は知らん。儂の前では抜けた魔導士じゃった。」

「つまり、そいつがクソ強えぇってのは、嬢ちゃんしか知らねぇ、と?」


「……ウスラン殿。何が言いたいのです?」

「んや? 実はズーユィンなんてクソ強えぇ魔導士はいなくて、嬢ちゃんとゴルゴンゾーラがグルで、小僧を殺したのも嬢ちゃんらじゃねぇの? って可能性もあるかなぁとよぉ」

「さっきも言ったでしょう!? ダイシャード殿は僕たちに協力してくれてたんですよ!?」

「さっきも聞かれてたろぉ? 嬢ちゃんらが何者でどこで出会って、どうやってそんだけ強くなったぁ? そいつが分かんなきゃ、本当に小僧が嬢ちゃんらに協力してたかなんて分かんねぇぜ?」


「僕達がダイシャード殿を殺したのだとすれば、それこそ何のために? 僕はあなたといた。マーリンが一人でダイシャード殿を殺すのは実力的に難しいですよ?」


「……毒、ではないですか?」

 ジンダッドが再び口を開く。

「ただの毒では蛮族にはほとんど効きません。ですが、マーリン殿程の実力者ならば、私達の耐性を超える毒を作ることもできるでしょう。」


「確かに出来ない事はありませんけどね。」

 鈴のような声が響く。

「!?」

「マーリン殿!?」


 戻ってきてくれたらしい。状況が好転したかはまだ分からないけれど。


◆◆◆

「……今まで、どこに?」

「森を調べていたのですよ。それより、」

 マーリンがジロリ、とジンダッドを睨む。


「私がダイシャード殿を殺したとすれば、何のために?」

「たとえば、蛮族と王国の間にもう一度戦争を起こして、蛮族を皆殺しにするためとも考えられます!」

「ジンダッド殿はクリスティアの実力を知っているはずだ。素手でリュウガ族の戦士を全員叩きのめした。剣を抜けば一人で蛮族全員を皆殺しにできますよ?」


「嬢ちゃんがどんだけ強くても、逃げるくらいはできるぜぇ? それじゃ皆殺しにはならねぇ。」

「私が逃がしません。」


――ああ、うん。冷静に見えて、マーリンさん、ブチ切れていらっしゃる。

 竜は基本的に他生物を見下している。英雄や勇者、何かに秀でた人間を認めることはあっても、それはあくまで個人レベルでの話だ。

 今の蛮族で辛うじてそれに該当するのはダイシャードだけである。他の蛮族はマーリン達にとって、殺すほどでもないから生かしている、僕が望むから協力してやっている、だけだ。


「ともかく! 疑いが晴れるまではあなた方を拘束させていただきます!」

「へぇ? 疑いは誰がどうやって晴らすのかな? それまで、お前達がどうやって私たちを拘束できるつもりなのかな?」

マーリンの口調が変わりつつある。殺気と魔力が駄々漏れだ。

このまま竜の姿に戻りそうな勢いである。

無意識に漏れ出た竜威圧に蛮族の数名が青ざめる。


「落ち着け、マーリン。ジンダッドもだ。とにかく拘束は断るが、一週間以内に何らかの情報を見つける。それでいいだろう?」

「そんなことが認められるわけ……」

「勘違いするな。譲歩しているのはこちらだ。認められないならお前らを拘束して勝手にさせてもらう。」

「ジンダッドっつったかぁ? それでおいときな。どうせお前らじゃあ嬢ちゃんはどうしようもねぇ。だがよ、嬢ちゃん。一週間で何も見つからなかったらどうするつもりだぁ?」

「お前達次第だよ。僕は戦争を止めに来た。それが叶わなければ遺憾に思うだけだ。」


 皆が殺気立つ中、ディグダッドが疲れたように溜息をついた。うん。ごめん。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ