100話 夏祭り前夜
九郎が風呂に入ると玉枝が裸で風呂に入って来る。玉枝はいつものように九郎の体を丁寧に洗い始める。玉枝は九郎に話しかける。
「九郎ちゃん、明日楽しみね。」「うん、そうだね。」
「デートにスケジュールは決めているの。」「花火が始まるまで屋台を回るつもりだよ。」
「それだけ。」「夏祭りだからほかに何があるの。」
「それは自分で考えなくっちゃ。」「う~ん、考えてみるよ。」
九郎は玉枝が夏祭りで遊ぶ以上に何を求めるように言っているのかわからない。
彼は風呂を出ると考えにふける。しかし、答えは出てこない。九郎は玉枝に聞く。
「玉枝さん、判らないよ。教えてくれる。」「男女が夜デートするのよ。そのまま帰るつもり。」
「帰るんじゃないかな。」「それではだめよ。」
「それがわからないよ。」「よく、あやめちゃんの彼氏をやっているわね。」
「すみません、教えてください。」「ホテルに連れ込まないでどうするの。」
「ホテル?」「そうよ、花火の余韻に浸って、夜を過ごすのよ。」
九郎は玉枝の話を聞いただけでドギマキする。彼は、スマホで夏祭り会場の近くのホテルを検索する。
しゃれたホテルはないが、ラブホテルが3軒あることが判る。彼は、あやめをホテルに誘うシミュレーションを行う。
そうしているうちに夜遅くなったので寝ることにする。九郎がベットに入ると玉枝が添い寝してくる。玉枝が九郎に言う。
「私で明日の練習する。」「しません。」
「大丈夫。」「あやめとは何回か寝ていますから大丈夫です。」
「本当かしら。」
玉枝は九郎に抱き着く。突然のことに九郎は赤くなる。
「九郎ちゃん、かわいい。」「離れてください。」
「これは明日の練習よ。」「僕は寝ますから。」
九郎は頭の中で、これは怨霊、これは怨霊、これは怨霊・・・と唱える。しかし玉枝のいろいろなところが体に当たって柔らかくて気持ちいい。
彼は色欲と戦いながら夜を過ごす。彼は玉枝のせいでちょっぴりエッチな夢を見る。