012話 商売
既に夜になっている
この迷宮都市ウベは地方からの馬車が夜に着くためか
結構な時間でも人々が村内で活動している
色町などは今からが書き入れ時だ
尤も そんな所に行く金も度胸も無いけど
興味はある…
コホン…閑話休題…
先ずは宿を探さないと…
そういや金も少なくなってきた
鯛とかを売れたら良いのだが…
適当に宿をとり
部屋に案内してくれる女中に金を包むと
「お兄さん…此処はそういう店じゃないですよ」
擬音で『ジロッ』て音がなるように睨まれた…
恐らく夜の交渉と勘違いされたのだろう
「違う違う…俺は商人だ カシ村名物の蛸や鯛とかを買って欲しいから責任者を呼んで欲しいんだ」
慌てて否定する
「あっ失礼しました 今すぐ呼んできます」
慌てて女中は退室していった
…そんなにイヤらしい男に見えたのか…
まぁ色町を見物がてら素通りしてきたから
顔に出てたのか…
少しショックを受けて落ち込んでいた時に
「失礼します」
一際豪華な服を着こんだら女性が
頑固そうな男を連れて部屋に入ってきた
「お客様がウチと商売したいと聞きまして お話しを伺おうと参りました」
儀礼的に少し頭を下げてきた
まぁ客相手とはいえ商売となれば
そこまで頭を下げる必要も無い
「此処で出しても?」
さすがに客間で生魚を出すのは憚られた…
「すいませんがお台所でお願い致します」
まぁ当然だよな
台所に案内され数匹鯛と蛸を見せる
頑固そうな…板前だろう男が目を見開いて
鯛の新鮮さを見ていた
「こいつは活きが良い 今とれたようだ」
まるで玩具を買って貰ったような顔になってる…
心から料理が好きなのだろう
龍臣だった頃は料理をしていたから気持ちはよくわかる
「残念なのが こんな時間だと…折角活きが良いのが…」
おっと…そんな理由で買い叩かれては堪らない…
「買ってくれるなら明日の夕方にでも用意するけど?」
女将にねだるように視線を送る板前…
言えないけど…可愛いオジサンだ…
最初の頑固そうなイメージが吹っ飛んだ
「お願い致します」
女将が前より頭を下げてきた
「それじゃ今は此方を出させて貰うよ」
カシ村産の鯛を引っ込めてヤシ村産の鯛を出した
「少し品質は落ちるけどコイツも活きが良い」
オジサン…目がキラキラし過ぎ…ヒロインか!
結局買値の二倍で買ってくれた…
もっと買ってれば良かったか…
商売が上手くいき 今はエビス顔になってる
懐が暖かいから…色町の誘惑が…
だが…ギフトの検証をしなければ…
物は知ってても構造を知らない物…
そして旅に役立つ物…
ー召喚ー
……
…
やはり拳銃は無理か…
だとしたら…
ー召喚ー
ラノベ
目の前に四角い物体が出た
まだ読んでないラノベである
どっと疲れを感じた
まぁ気絶は免れたが…
睡魔に誘われた
検証は明日だな
おやすみなさい




