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第五話~困惑~

200PV突破!

ユニークは100突破!

本当にありがとうございます!


今回の初登場人物です。

・市村ほまれ→いちむらほまれ

・神城雪子→かみじょうゆきこ

・藤神アスカ→ふじがみアスカ


 月に着いた。

 振り返れば、青と白のきれいな色をした地球が見える。龍はジンと共に、建物の中へと入っていく。

 中は簡素なつくりになっていた。飾りのたぐいは一切なく、灰色の壁がむき出しだ。

 通された部屋では、三人の人物が龍を待っていた。白衣を着た女性が声をかけてくる。

「ようこそ、神崎龍。私はここを仕切っている、市村ほまれだ。よろしく」

 明るい茶色の髪を背中まで伸ばしたその女性は、龍に握手を求めてくる。

 龍が握手をすると、残りの二人も自己紹介を始めた。

 濡れたような長い黒髪の上半分をふたつにくくった少女が、手を差し出す。

「私は神城雪子。よろしく」

 続いて、短めの茶髪を頭の後ろで無造作にくくった少女が、棒付きキャンディーで口をもごもごさせながら言う。

「アタシは藤神アスカ。よろしく~」

「………どうも」

 龍は初めて会ったこの三人に、戸惑いを隠せない。

 そんな龍に、ほまれは少し申し訳なさそうに言った。

「まだ着替えも用意できていないのにいきなりで悪いが、神崎龍。仕事だ」

「仕事………?」

 龍は首をひねる。

 ほまれは続けた。

「今回は、ジン、藤神アスカ、神崎龍の三人で行ってきてくれ。神城雪子はここで待機だ」

「ああ」

「はい」

「は~い」

 ジン、雪子、アスカが、順番に返事をする。

 龍は首をひねるばかりだった。




「仕事って、なんのこと?」

 地球に向かう宇宙船の中で、龍は二人に尋ねた。

 アスカはジンを横目で見る。

「説明してなかったわけ?」

「ああ」

 ジンは短く答える。

 アスカは仕方なく、棒付きキャンディーを口から離すと、説明を始めた。

「アタシたちが異能者だってことは、知ってんでしょ?」

 龍は頷く。

「アタシたちは人間と対立してる。だから戦う。今回だってそう」

「戦争ってこと………?」

「そーいうこと。これは、人間と異能者の全面戦争。ちなみに、アタシたちが産まれる前から続いてる」

 龍は黙り込む。これから自分は、戦わなければならない。

 船が地球に着く。着陸したのは、どこかの知らない島。

「ここは?」

 龍は宇宙船から降りると、辺りをきょろきょろと見回しながら尋ねた。

 ジンが答える。

「敵の本拠地だ。……よそ見をするな」

 アスカが銃を構える。

「来るよ」

 周りのしげみががさごそと音を立てる。そこから、何人もの子どもたちが銃を持って飛び出してきた。彼らはみな、焦点のさだまらない目で龍たちを見据えている。

「子ども………?」

 龍は呟く。

 ジンが早口で説明した。

「あいつらは全員孤児だ。人間サイドのリーダーは、世界中から身寄りのない子どもたちを集めて兵士にする」

「子どもたちを、兵士に………?」

 ジンは続けた。

「そして集めた子どもたちの脳を改造して、意のままに操る。身寄りのない子どもが消えたところで、周りはなんとも思わないだろうからな。今のあいつらは、生きた操り人形だ」

「………っ」

 龍は絶句する。人間の脳を改造するなんて、今まで想像すらしたことがなかった。

 アスカはもう戦い始めている。彼女が撃った弾は、一発もはずれることなく敵の兵士へと撃ち込まれていく。

 ジンも敵の懐につっこんでいった。

 龍は一人きりになる。

 敵の兵士が近づいてきた。

「………っ」

 龍は息をのむ。例え死ななくても、撃たれるのは怖い。そう本能が訴える。

 敵の兵士が撃ってきた。弾は、避けようとした龍の手足をかすめる。

「い………っ」

 龍は痛みに顔をしかめた。やはり、痛いものは痛いのだ。

「おいっ」

 ジンが龍を撃った敵を倒す。

「何をしている。殺らなければ殺られるぞ」

 しかし、今の龍にはそれが聞こえない。

 痛みと恐怖が龍の思考をからめとる。

 痛い。怖い。痛い。怖い。痛い。

 急にがたがたと震え出した龍を、ジンが軽く揺さぶる。

「おい!」

「龍!?」

 ジンとアスカの声が重なる。

 龍の意識は遠のいていった。

たくさんの人に読んでいただけて嬉しいです。

次回は、龍とジンが喧嘩します。

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