表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
どこからか聞こえてくる音  作者: くろくまくん


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

8/20

STEP3:縁側を歩く足音

吹奏楽部の部長が中学時代の話をした。


それはとても悲しい話だった……


ステップトークはまだまだ続く。



◯登場人物


優太ゆうた

高校二年生 帰宅部

読書、ゲームが趣味


麗華れいか

高校二年生 怪談倶楽部 部長

ヒマリの一年の頃からの友達


麻衣まい

高校二年生 怪談倶楽部 副部長

レイカと同じくヒマリの一年の頃からの友達


伊坂先生

48歳 三年生の担任

吹奏楽部と怪談倶楽部の顧問

「僕の話はこれで終わりです」


 吹奏楽部の部長のダイスケの話は、とても悲しいものだった。


「ダイスケ先輩、ひとつ聞いてもいいですか?」


 怪談倶楽部のレイカが口を開く。


「うん、何かな?」


「その年末の時から、ピアノの軋みはしなくなったんですか?」


 まぁ普通に考えると、なくなったんだろうけどね。


「うん、毎回は無くなったね。でも忘れた頃にたまにあるよ」


 そうなんだ、普通にあるんだ。


「もしかしたら……その女の子がたまに聴きたい気分になった時に訪れているとか……そんな気がしますね」


 レイカが答える。補足で更に怖がらせようとするのって、アリなのか。


「よし、次はステップス倶楽部の誰かが話したらどうだ? レイカかマイかソウタ」


 伊坂先生の声を受け、マイが手をあげる。


「じゃあ、次は私がしますね〜。さっきも言いましたが、ステップス倶楽部の副部長をしています、マイです。ん〜……どれにしようかな」


 まぁ怪談倶楽部なだけあって、いくつかネタは考えてきてるのかな。


 決めたのか、自分の中で頷き、口を開きはじめたマイ。



——これは私自身のことではなくて、ある友達に聞いた話なんだけど……



 私は地方から都市部に親の仕事の事情で引っ越してきたんだけどね。


 引っ越してくる前の地元で起こった出来事だったの。


 そこは周りを山で囲まれた自然の多い所で、車がないと日常の買い物も行けないような、そんな場所。


 両親と妹がひとりの四人家族だった。


 私は小学三年生、妹は五歳。私も妹も、あまり友達はおらず、普段遊ぶ時は、家でおままごとをしたり、テレビを見たり、マンガを読んだり、そういう過ごし方をしていたの。


 私のお家は一戸建てで、田舎のお家って想像してもらうとわかりやすいかもだけど、縁側がある家で、お手洗いは家の中側でなく、その縁側の廊下の端にあった。


 だから、おトイレに行く時は必ず外に近いところを通らないと行けない。


 風の強い日とかは、戸がガタガタいってるだけでも、ちょっぴり怖かったりした。


 いつもは夜中に起きて、おトイレに行くことってあまりないんだけど、その日は暑くて、お茶をたくさん飲んでしまっていて。


 それが何時かも覚えてないんだけど、お父さんもお母さんも、妹も寝ている時に、ふと目覚めてしまった。


 小さい頃は、お母さんにトイレに付いてきてもらっていたんだ。でも、小学生にもなって一人でトイレ行けなかったら恥ずかしいよ、って言われたりして、自分の中でも、一人でも大丈夫だもん、と強がっていたこともあったのかもしれない。


 その日は風はそこまで強くなくて。月の明かりがとても綺麗だったのを覚えてる。だって電気を付けていなくても凄く明るかったから。


 ひた ひた ひた ひた


 縁側を歩く、私の足音。


 とても静かだから、その足音も良く聞こえる。


 ぎぃ……


 あ、ちなみにトイレのドアは家が古いのもあって、開け閉めをするたびに、ぎぃという大きい音を立てる。


 どきどき どきどき


 何故か自分の心臓の音も聞こえてきそうなくらい、ドキドキしている。


 こんな夜に、怖いことが起こらないといいのに。


 トイレの中で座っていた。


 ひた ひた ひた


 トイレの中に居ても聞こえてきた。これは縁側を歩いている足音だ。


 お父さん? お母さん? 妹? 


「トイレ入ってるよ〜」


 私はドキドキしながらも、一応こちらに近づいている、足音の主に向かって伝えた。


 足音が止まった。でも何も返事はない。妹が寝ぼけて歩いてたのかな。


 ひた ひた ひた


 また近づいてきている。


 私は妹の名前を呼ぶ。足音は止まったが、返事はない。


 ひた ひた


 少しずつ、確実に近づいてきている足音に、私の心臓はばくばくばくばく、破裂しそうになっていた。お願い、来ないで。


 ひた ひた ひた


 扉の前で止まる。


 誰かもわからないけども、何故か家族ではないような気はしていた。


 ちなみにトイレのドアのカギは閉めている。


 がちゃがちゃ


 扉を開けようとしている。


 私は声を出そうとしたんだけど、出せなかった。何か喉がつっかえているような、不思議な感覚。


 この扉が、開いてしまったら。


 お願い、誰かわからないけど、帰ってください。私は何もしてません。何も悪いことはしてません。


 がちゃがちゃ がちゃがちゃ


 お父さん、お母さん、呼びたいのに口が開かない。


 がちゃがちゃ がちゃがちゃ


 ドアのノブを回すのが激しくなってきた気がする。


 その時。


 とっ とっ とっ とっ


 縁側を足早に走る音。


「お姉ちゃ〜ん」


 妹の声だ。


 私はびっくりして、すぐ扉を開けた。


 すると……妹だけがそこにいた。


 私はそこに座り込んで泣いてしまった。


 

怪談倶楽部の副部長マイが話した。


トイレ系の話は……


トイレに行けなくなるから反則だ。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ