録音不良パート2
ヒマリの小さな時の話が終わった。
何故か最後、ユウタの父親が登場したようだ。
◯登場人物
優太
高校二年生 帰宅部
読書、ゲームが趣味
陽真理
高校二年生 怪談倶楽部
ユウタの幼馴染、明るく友達が多い
麗華
高校二年生 怪談倶楽部 部長
ヒマリの一年の頃からの友達
麻衣
高校二年生 怪談倶楽部 副部長
レイカと同じくヒマリの一年の頃からの友達
ユウタの大伯父、修二
69歳 IT会社の会長 破天荒
ヒマリの話が終わった。
「話しながらその時のこと思い出して、怖くなっちゃった……」
「ヒマリ、小二の時にそんなことあったんだね〜、僕外遊びはほとんどしてなかったから全然知らなかったよ。しかも、ここで僕の父さんが登場したんだ」
今から十年も前のことだもんな。元々父親もそんなに色々喋るタイプじゃないから尚更聞いたことはなかったと思う。
「そうそう、たぶんユウちゃんのパパは仕事帰りだったんじゃないかな。そんなタイミングでたまたま外に出てることなんてないもんね。おかげで助かったんだと思うよ」
ヒマリはホントにその時のことを思い出したかのようにホッと息をついた。
「というか、ヒマリってホントにおてんばな子だったんだね。活発な女の子だなとは思ってたけど、そこまでだなんて」
副部長のマイが言う。
「おてんばって言うか……まぁ身体を動かすことは好きだったのかな。その代わり頭を使うのは苦手かもだけどね〜」
「まぁ、家でずっとユウタみたいに引きこもってばかりよりかは、外の空気吸って、お日様の光を浴びてるほうが健康的な気はするな。そうそう、来週は学校に場所を戻そうか。毎回廃寺ってのもなんか飽きそうだしな」
と、大伯父。
たぶん僕が思うに、ここまで連れてくるのが面倒くさくなっただけのような気がするぞ。
「はい、私は全然それで構わないですし、今回いつもと違う体験が出来ただけで嬉しかったです。来週はシュウジ伯父さんは参加はどうされますか? 伊坂先生はまだ体調わからないですけども……」
部長のレイカが聞く。それに対して大伯父は、
「ん〜、まぁこの時間は別に忙しくないから俺は来週も参加で大丈夫だぞ。あ、今回の録音データなんだが、もし伊坂先生が体調マシになってるなら、さきに先生に送ってみんなの話をチェックしてもらうといい」
そういえば、二回目の納涼祭の録音からは、一回目のようなおかしいところはなかったみたいなんだよな。
さすがに今回はこんなとこでしてるし、お寺の鐘も鳴ってるし、なんか録音してしまってそうだよね。
「わかりました。伊坂先生にも聞いてみますが、チェックしてもらってから、みんなに後々共有しますね。みなさん、そろそろ休憩しましょうか」
◇
そのあと休憩をして、吹奏楽部の二人の話と、大伯父もまた話をして第三回合同納涼祭は終わった。
帰りは、電車もまだある時間だったんだけど、大伯父がそれぞれみんなが帰れるようにタクシーを複数台手配してくれていた。
こういうところは流石だなと感心をした。確かにこの暗い中を帰るのは億劫だなと思っていたからだ。
◇ ◇ ◇
そうそう、次回の第四回合同納涼祭は一週間後にあるんだけど、第三回が終わったあとの週末のこと。
『ユウちゃん! また出たよ! 変な録音!!』
ヒマリからそんなメールが来ていた。
「えー、二回目はなかったのに、また出たの? やっぱ廃寺とかでしたからじゃないのー」
それしか原因が思いつかないよな。
『どんなのか聞く〜? レイカから編集した録音データが送られてきたんだけど……まぁまぁキモいよ〜、イヤホン推奨』
絶対聞きたくないんだけど。でも、怖いから嫌だとも言えないし。
「んー、ホントは聞きたくないけど、仕方ないから送ってよ」
そのあとヒマリから送られてきた録音データのファイルは、ステップス倶楽部の部長のレイカが話したトンネルの中のお話だった。
───────────────────────
ウチはわりと家族みんな仲が良いほうで、それは私が小学生に上がる前からもそうだったんだけど、家族全員で買い物に行ったり、た ま!! に外食に行ったり。あとは年に一回か二回は旅行をしていた。
私が小学六年で、お兄ちゃんはちょうど三つずつ上で、高校三年と中学三年、下の妹は五つ離れていて小学校に入ったばかり だ!! った。
お父さんは若い頃からリーダーシップというか、色々計画をしたりするのが好 き!! だったようで、家族みんなを色々なところに連れていってくれた。それに面倒見がいい。
トンネルって暗い中にライトが等間隔で ついて!! いて、長いトンネルになるとそれがいつまで続くのかわからない時がある。
運転席のお父さんと助手席のお母さんは起きて い!! たけど、後ろのお兄ちゃん二人と、妹も朝から張り切り過ぎてか、寝ていた。
な!! んだか私は旅行のハイテンションからか寝れなくて、でも車酔いしな い!! ように目を閉じて、静かにはしていた。
耳が痛くなるような。耳鳴りっていうのかな、でも頭に響くという感じではなくて、実際に遠くから聞こえてくるような、身体 の!! 中からではない音が聞こえた。
「お か!! あさん、耳が痛い」
でも、 その!! 音はずっと鳴っている。
寝たらマシになるかなと思って、私は目を閉じて無理にでも寝よ う!! と思った。
——そっ ち!! はだめ、あぶないよ……
——だめだめ、 たいへんなことになるよ!! ……
───────ま─────────────
─────だ─────
────き────────
───ついて──────────
──い─────────────
な────────い───────
──────の──────
─か─────
──その─────
────う──
─────ち────
───たいへんなことになるよ──
第三回合同納涼祭の数日後に、
ヒマリから送られてきた、まぁまぁキモいという録音データを聞いたユウタ。
このメッセージにはどんな意味があるのだろうか。




