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どこからか聞こえてくる音  作者: くろくまくん
第五章 廃寺での合同納涼祭

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STEP9:学校で起きる耳鳴り

ステップス倶楽部の部長のレイカが、母親から聞いた話をしてくれた。


家族旅行の最中に、トンネルの中で聞こえる謎の声の話だった。



◯登場人物


優太ゆうた

高校二年生 帰宅部

読書、ゲームが趣味


陽真理ひまり

高校二年生 怪談倶楽部

ユウタの幼馴染、明るく友達が多い


麗華れいか

高校二年生 怪談倶楽部 部長

ヒマリの一年の頃からの友達


麻衣まい

高校二年生 怪談倶楽部 副部長

レイカと同じくヒマリの一年の頃からの友達


ユウタの大伯父、修二しゅうじ

69歳 IT会社の会長 破天荒

「私の話は以上です。どうでしたか?」


 トンネルの崩落事故に出くわすなんてなかなかないよな。


「レイカ……のお母さんか。大変だったんだね〜! でも、その声か音かのおかげでみんな助かったんなら良かったよね。レイカのお母さんって霊感強いとかそんな感じだったのかな? レイカもどっちかというとそうだよね」


 レイカだけに霊感強いとか言わないでくれよ……


「う〜ん。私はお母さんよりはない気がするけど、ちょっぴりあるかもしれないですね」


 あるんかい。


「そういう急に聞こえてくる声というか、何かの知らせっていうのは、怖がらせるためというよりかは、警告だったり、注意だったりすることが多いかもしれないな。その地元の自然に宿った物の怪みたいな、そんな類かもな」


 大伯父が言う。それに対して僕は聞いてみた。


「シュウジ伯父さんって、そういう霊とか怪現象とかにも詳しいんですか?」


「え、詳しいっていうか、興味があるから調べたりするくらいだけどな。今回の集まりの保護者をすることにしたのも、それも少しある」


 その時。


——ゴォォォーーーーーン……


「えっ? 鐘の音?」


 まだ廃寺になってないとは言え、もう誰も入ることもないところだぞ。


——ゴォォォーーーーーン……


「誰かが鳴らしてる……んだよね?」


 副部長のマイが言う。


「雰囲気出そうとしてエキストラの人が頑張ってくれてるとか、そういうんじゃないよね……?」


 僕が言ったジョークはスルーされた。みんな耳を澄ましている。


「ちょっと見てくるから、お前達はここで待っておけ。俺が戻るまで休憩だ」


 大伯父が様子を見に行くと言う。


「伯父さん、僕も行くよ」


「いや、複数で行っても危ないだけかもしれないからな。お前はヒマリをしっかり守っておけ。何かあったら連絡する」


 大伯父は、70手前とも思えないテキパキした動きで、外に出ていった。


「なんだかこういう時って、変な霊とかが出てきたりとか……」


「ヒマリ怖がらすなよ〜……」


 冗談でヒマリが言うのを、僕がたしなめる。こういう状況の時に、ふざけるのはあまり良くないと僕は思う。


 



 それから十分後。


 大伯父は帰ってきた。


「誰かいたの?」


「いや、誰もいなかったな。ただ……」


 僕の問いに大伯父が答える。


「ただ、どうしたの?」


「鐘をつくための撞木しゅもく、あれの紐がまだ温もりが残っていたような気がしたな……」


「オジサンキモーい! そんなの触らないでよ〜!」


 ヒマリが反応して言ったが。温もりがあったと言うことは、怪奇現象とか、霊の仕業とかではなくて、おそらく人がやった、ということだろう。


「キモいというか……普通触るだろ。まぁ他は特に何もなかったから大丈夫だろう。さ、続きやるぞー」


 続きやるんかい。


 まぁ、まだ始まったばかりだもんね。


「じゃあ次は僕が話そうかな?」


 僕は手をあげた。


「ユウちゃん、大丈夫? ちゃんと話せる?」


 ヒマリがかなり馬鹿にしている。


「うるさいな〜、大丈夫だよ」



——それは僕が小学生の高学年の時だったと思う。



 僕のクラスは全員で30人弱くらいで、割とみんな仲が良く、担任の先生は男の先生だったんだけど、まぁまぁの熱血漢で、勉強の出来る出来ないよりも、クラスみんなで何かをやろう、というまとまりをとても意識していた気がする。


 いつくらいだったかな、夏が終わって、日中も少し涼しくなってきたから十月中旬くらいだったか。


 秋の音楽会かなんかで、何の曲を歌うだの、何を演奏するだのと話しあっていた時だったかな。



 前触れもなく耳鳴りがした。


 なんと言うか、めちゃくちゃ高音というわけでもなく、ただとても不快な音で。


 それは、もちろんクラスのみんなは同じように耳鳴りはしていないようで、僕だけが聞こえているんだけど。


 すごく不思議だったのは、


 耳鳴りがしている間は、何故かクラスのみんなが少し機嫌が悪かったり、話がまとまらなかったり、悪くすると喧嘩が始まったりするんだ。


 普段おとなしい、大声を出さないような男の子が大きい声を出したり。


 笑顔の可愛い女の子が、その時は凄く嫌な顔をしていたり。


 もちろんそれは僕が見てそう思っただけだから、実際にどういう状況かはわからないんだけど。


 でも、たまにある耳鳴りがある時は必ず、そういうことが起きていた。


 そんな耳鳴りもしょっちゅうあるわけじゃないのと、あまり気にしない僕の性格もあったんだけど、冬休みが過ぎ、三学期になって、小学生で最後の学期が来た。


 もう二月にもなると、学校の授業というよりか、卒業文集を書いたり、図工で卒業記念の作品を作ったり、作業みたいなのが中心になってくる。


 そして、三月の卒業式。


 こんな日には耳鳴りは来てほしくないなーと思いながら過ごしていたが……やっぱり来た。


 なんとなくだけども、みんなで集まってる時に、その耳鳴りはしている気がした。


 その時は、卒業証書の授与も終わって、卒業生が歌を歌う時のことだった。


 耳鳴りのせいもあったけど、僕はまともに歌えなくて。


 せめて卒業式の時くらいは、やめてほしい。


 そう思ったその時。


 ぴたりと耳鳴りが止まった。


 でも、その代わりというわけじゃないと思うんだけども。


 卒業生の女の子の一人が倒れた。


 貧血か何かだったみたいだけど。


 結局その後、無事に卒業式は終わって、みんな卒業した。


 中学に上がってからは、その時の耳鳴りは全く無くなった。


 その中学は、ほとんどが小学校からそのままスライドで同じ生徒がその中学に行くんだけど。


 卒業式の時に倒れた、その女の子は。


 何故か、中学には居なかったんだ。


 

レイカの話のあとに、急に廃寺のものと思われる鐘が鳴らされる。


大伯父が様子を見に行くが、そこには誰もいなかった。


その後は、ユウタが小学生の時の話をした。

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― 新着の感想 ―
それまでの出来事は、その子が原因だった、ということでしょうか?心理的ポルターガイストのような……。 謎めいた終わり方だからこそ、ゾワッとしますね。
その女の子が声の主だったとか? (・–・;)ゞ 転校しただけと信じたいですよ。 (「`・ω・)「
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