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どこからか聞こえてくる音  作者: くろくまくん
第四章 録音データの違和感

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STEP5:謎の蝉

ステップス倶楽部の部長のレイカが持ってきた、前回の伊坂先生の話に紛れた、謎の恐怖メッセージ。


とりあえず今回も怪談を録音して、同じように調べてみることにする。


今回のトップバッターはステップス倶楽部のソウタだ。



◯登場人物


優太ゆうた

高校二年生 帰宅部

読書、ゲームが趣味


陽真理ひまり

高校二年生 怪談倶楽部

ユウタの幼馴染、明るく友達が多い


麗華れいか

高校二年生 怪談倶楽部 部長

ヒマリの一年の頃からの友達


麻衣まい

高校二年生 怪談倶楽部 副部長

レイカと同じくヒマリの一年の頃からの友達


創太そうた

高校二年生 怪談倶楽部 

「僕が話すよ」


 伊坂先生の不可解な録音音声を聞いたあとのなんとも居心地の悪い雰囲気の中、手を挙げたのはステップス倶楽部、唯一の男子部員のソウタだった。


「僕は虫が苦手なんだけどね、でも小さい頃からじゃなかったんだ。その時のことを話そうと思う」



——それは、僕が小学校の低学年の夏休みのことだった。


 自分で言うのもなんだけど、その頃の僕はとても活発で。幼稚園の頃から外遊びが大好きで、友達とも遊びに行くし、夏は虫採りをしたり、とにかく色んな外遊びをした。


 夏に僕が一番好きなのはセミ捕りだった。


 今思えば何年も地面の中で暮らして、ようやく日の目を見たセミを捕まえて、すぐ放すとはいえ虫とり網や手で必死に捕まえてる行為自体、セミ達にとったら歓迎されたことではないかもだけど。


 それでも、何人かで毎日飽きるくらいセミ捕りをした。虫かごを紐で斜め掛けして、麦わら帽子を被り、近所の公園や、道ばたの木の下とかにもたくさんいたから、みんなでセミ捕り競争なんかもしたかな。


 僕達が住むところにいたのはクマゼミとアブラゼミだった。


 ジージーと鳴く茶色い羽がアブラゼミ。


 しゃあしゃあと鳴く黒っぽいのがクマゼミだ。


 日が昇るとセミは日陰を求めて木の上の方に行ってしまうから、朝早めから午前中がいい。


 あ、ちなみにセミはオスしか鳴かない。


 メスに対しての求愛や、危険を知らせるために鳴くらしい。


 しゃあしゃあしゃあしゃあ


 僕くらいになると、手の届かないところは網を使うこともあるけど、手が普通に届くところは素手でだいたいいく。


 もちろんセミが飛び立つ前に捕まえるから素早さと気づかれないように近づく慎重さがいるけどね。


 物音を立てず、セミの死角から手を伸ばして……


 さっと掴む。


 もちろん力任せにつかむとセミが怪我してしまうからちょうどいいくらいに優しく捕まえる。


 そんなセミ捕りに明け暮れていた、ある日のことだった。


 なんだかその日はセミがあまり捕れなくて。天気があまりよくなかったのもあるかもだけど、収穫がないとしょんぼりもする。


 それもあってなのか、魔が差したというのか。


 普段なら弱っているセミとか、地面をゆっくり歩いてるセミは捕まえたりしないんだけど、つい弱っているセミを捕まえてしまった。


 もちろん弱ってるセミは羽ばたく元気もないくらいだからバタバタと抵抗したりすることもなく、僕の手の中におさまった。


 そのセミはメスなのか鳴かなかった。


 でも、あまりにもおとなしいので、手に乗せたり、観察したりしていたんだ。


 するとなんだか小さな音が聞こえている気がした……そのメスのセミからね。


 急にバタバタと飛ぶこともないのがわかったからか、僕は手に乗せたそのセミの側に耳を近づけてみた。


 すると……


 今まで聞いたこともないような、機械が動いているような音が。


 そのメスのセミの中から聞こえてきた。


 僕はびっくりしたのと怖くなって、そのセミを放り投げてしまった。


 ホントのセミじゃないのかな……


 近づくのも気持ち悪いし、でもおっかなびっくりそのセミを遠目に眺めていると。


 何故か、そのセミが僕の方をまっすぐ見ている気がしたんだ。


 その小さなつぶらな目で。



◇ ◇ ◇



「お話は以上です」


「えっ! そんなのってあり?」


 ヒマリはすかさずツッコむ。


「え?」


「 なんていうか……あまりにも謎すぎてよくわからないんだけど」


 ヒマリの意見もごもっとも。


「あ……うん、それから僕は虫が苦手になった、っていう話」


 そういうこと。まぁセミにはなんだか詳しくなったような。


「ソウタ、そのセミって結局なんだったんだろうね?」


 副部長のマイが聞く。


「ん〜、それはわからない。でも、僕の想像なんだけど、科学の最先端の技術を持っている未来人か宇宙人が、セミ型ロボットを使って人間の情報を収集してたんじゃないかなと思う」


 すんごい話だ。高校生だぞ。


「そのセミ、とっといたらよかったのにね〜」


「いや、小学校の時の話だからね」


 この微妙な空気はどうしたらいいんだろう。


「じゃあ今回は先に私が話しておこうかな〜」


 ヒマリが手をあげる。


「大丈夫か、ヒマリ」


 一応、僕は心配して声をかけておく。


「なんの心配よ、ユウちゃん」


 というわけで、ソウタのセミの話のあとは、ヒマリが話すことになった。


 骨で出来た木琴の話だけはやめてくれよ……



音に纏わるのか、ただセミの話をしたかっただけだったのかわからないソウタの話だったが、


続けてヒマリが話をすることになった。


前回はすべったらしい。

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― 新着の感想 ―
クマゼミとアブラゼミが多いということはソウタ君は西日本出身かなぁ、と考えながら拝見しておりました。 そうそう、メスの蝉は鳴かないんですよね。懐かしいなぁ、と思っておりましたら……何と!! こういう怪談…
私にはセミ無理です〜。 。:゜(;´∩`;)゜:。 友達が揚げセミを食っているというのを知ってから、完全に無理に……。 (´;ω;`)
そういえば関西はクマゼミが多いんでしたっけ(長野はアブラとミンミンが多い)、あれ?今年はセミの声少ないか、まぁ暑いからねぇ。
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