第二回合同納涼祭
ユウタの住む街に、大伯父が来てから数日後、
合同納涼祭の二日目当日のことである。
◯登場人物
優太
高校二年生 帰宅部
読書、ゲームが趣味
陽真理
高校二年生 怪談倶楽部
ユウタの幼馴染、明るく友達が多い
麗華
高校二年生 怪談倶楽部 部長
ヒマリの一年の頃からの友達
ユウタの大伯父 修二
69歳 IT会社の会長 破天荒
「え〜!! シュウジ伯父さんが合同納涼祭に来るの!?」
それは二回目の合同納涼祭のある、木曜日当日のことだった。
「そうだけど……なんかマズかった?」
母親はしれっと言う。
何故そうなったかと言うと、顧問の伊坂先生が急な夏風邪か何かで体調が悪くなって誰か部員の親か親戚で大人の代役を頼んできたらしい。
んで、共働きをしているところがほとんどで時間的に厳しい親が多い中だったんだけど。大伯父は割と自由にしているということと、本人も面白そうということで立候補したこともあって、伊坂先生の体調が治るまでという条件で参加をすることになったという。
「マズイというか……あのオジサン大丈夫なの?」
母親も少し苦笑いをしている。
「まぁあんな見た目だから心配にはなるよね。まぁでもママもパパも知ってるけど、あのオジサン見た目よりは全然普通よ」
なんの説得力もない、母親のフォローを聞き流す。
「うるさくだけしないようにしてくれたらいいんだけどね」
むしろ何もしなくていい。一応ヒマリにも連絡は入れておいた。
「そういえば、その伯父さんは何してんの?」
結局ここ数日、僕の自宅にはほとんど居てなかったような気がする。どうせ祖父と飲み歩いたりなんだろうけど。あ、まぁ仕事もしていたのかな。
「ん〜、サトシお爺ちゃんと飲んでるんじゃないの?」
飲んだあとに来るんかい! もうサイアクだな……
「はい、そうですか〜。僕出かけるまで寝とくよ……」
なんだか嫌な予感しかしない。
「大伯父さん、ああ見えて家族のこと、凄く大事には思ってるからね。ユウちゃんやヒマリちゃんのことも私達と話す時いつも話題に出てきてたよ」
まぁ何してるかわかんないから気になるのかな。
じっくり面と向かって話したことないからな。
「うん、わかった。おやすみ〜」
こっちのほうが。子供のほうが気を遣うのって、おかしいと僕は思うんだよな……
◇ ◇ ◇
「ユウタ〜! そろそろ行くぞ〜!」
部屋の外から大声が聞こえてくる。大伯父だ。
寝起きに聞きたくない声を聞いて、余計に不快だから、しばらく無視をする。
「ユウちゃん、私も来たよ〜」
ヒマリの声もした。あれ、そんなに寝てたのかな。仕方なく起きる。
部屋を出てみた、大伯父は特に酒を飲んでいる様子はなかった。まだマシだったみたいだ。
「聞いていると思うが、今晩の合同納涼祭は俺が保護者として行くことになったからよろしくな。何かあったらきっちりと守ってやる」
いや、オジサンに守られることはたぶんないと思うんだけど。
「一応なんですけど、怪談の集まりだから、あまり大声出したり騒いだりしたらダメですよ〜」
僕は大伯父に釘を刺しておく。
「わはは、俺ってそういうイメージだったんだな。大丈夫だ、そういう空気はちゃんと読む方だぞ」
ホントかよ。
というわけで渋々だったけども、僕とヒマリと大伯父の三人で学校に向かう。
「あ、そうだ。今日の集まりはどのくらい来るのかな? ヒマリ聞いてる?」
「ん〜、どうだったかな? 聞いたような気もするけど忘れちゃった」
まぁ行ったらわかるか。
「なぁユウタ。お前って、ヒマリとデキてるのか?」
僕はそれをガン無視した。
学校に着いて、三階の視聴覚室まで階段を上がっていく。もうすでに部屋の明かりは付いていて、中で何人かが作業をしていた。
見たところ、前と同じ怪談倶楽部のヒマリ以外の三人と、吹奏楽部の四人という前回と同じメンツだった。伊坂先生がいないだけだな。
確か怪談倶楽部の部長のレイカと言ったか、僕ら三人の方を見て声をかけてくれた。
「ヒマリ! あ、保護者の方ですね、今晩はすみません、わざわざ来ていただいて」
大伯父に対してだ。
「おう、みんなの保護は任せとけ。先生にも頼まれているからな」
なんとなくだけど。レイカの顔色が少し悪い気がした。
「今日の納涼祭を始める前に少しみんなに聞いてほしいことがありまして……」
なんだろう?
「前回のみんなが話してくれたステップトークの録音なんですが……ちょっとおかしいところがあって……」
部長が話した内容に、僕はびっくりしてしまった。
顧問の伊坂先生の体調不良のため、
代わりに大伯父が保護者として合同納涼祭に参加することになる。
ユウタは何か起きないか心配するが……




