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どこからか聞こえてくる音  作者: くろくまくん
第三章 変なオジサンが来る

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そういうのを聞くと、ヒマリも女子なんだなって思う

大伯父に遭遇しないように、近くのモールでヒマリと待ち合わせることになった。



◯登場人物


優太ゆうた

高校二年生 帰宅部

読書、ゲームが趣味


陽真理ひまり

高校二年生 怪談倶楽部

ユウタの幼馴染、明るく友達が多い

「ドーナツ買いに行こうよ〜。私チョコのたっぷりかかったやつがいいな〜」


 太るからどうとか言ってたのはどこのどいつだ。


「ヒマリ小さい頃からチョコ味のお菓子好きだったよな、そういえば」


 周りがチョコでコーティングされたケーキみたいなお菓子があるんだが、それを手も顔もベタベタにしながら食べていたヒマリを思い出す。


「そうだったかな? チョコとコーヒーって合うよね〜。勉強する時もいいんだよ、集中力アップ!」


 ホントかよ……まぁそんなことを言いながら、ドーナツを選んで買う。


 結局三個買って半分ずつにすることになった。飲み物は僕はホットコーヒーのブラック、ヒマリはアイスコーヒーのブラックにしていた。


「ユウちゃんの変なオジサン、なんでこっち来ることになったの? 仕事の都合とかかな?」


 ドーナツにかぶりつきながらヒマリが言う。


「そうそう、仕事でらしいよ。だから滞在期間は未定だってさ。別にあの人が嫌いってわけじゃないんだけどね」


 オリンピック周期くらいでしか会うことのない親戚なんて、別に気にすることはないんだが。


「あのオジサンって、なんかグイグイくる感じだよね〜。面白いといえば面白いんだけど。それより次の合同納涼祭、ユウちゃんお話考えた〜?」


 僕もドーナツのひとつをかじりながら答える。


「え、まだだけど……そういえばヒマリの話、僕が言ってたやつのまんまだったよな〜。なんか僕がスベったみたいで嫌だったよ」


「えっ! あれってスベってたの? めちゃくちゃシーンと静まってたから、怖すぎてみんな沈黙してるのかと思った」


「いや、あれは完全にスベってただろ。木琴が返り血を浴びた木材で作られたとかいう内容とかよりも、ヒマリの話し方じゃない?」


 僕はホットコーヒーを一口飲む。ちょうど適温だった。あまり熱々過ぎるのは飲めないからだ。


「話し方ってなによ〜。私、普通に話してたと思うんだけどな」


「ヒマリはそのつもりだったんだね。なんか怖い話だぞ〜! ていう喋り方だったよ」


 ドーナツの残りの一つを半分に割って僕に渡すヒマリ。


「え〜! それめちゃくちゃ恥ずかしいんですけど〜! てか、怪談なんて話したことないし仕方ないでしょ」


 僕とヒマリが話していた時だった。


「お〜! 昼間からイチャイチャしてるカップルがいるなと思ったら、ユウタとヒマリじゃないか」


 聞きたくない声が聞こえてきた。金髪にサングラス、完全に怪しいオジサンだろう。この身なりで60代後半というんだからな……いや、服装はカジュアルな感じのスラックスにTシャツに薄手のサマージャケットときちんとはしているんだけども。雰囲気がね。


「シュウジおじさん、こんにちは」


 僕はなるべく感情を出さないように挨拶する。


「ユウタ、俺のことはアニキと呼べと言っただろ。小遣いやらねぇぞ」


 いや、小遣いいらんし。


「母さんが確か迎えにいったと思うんですけど……?」


「おう、さっき会ったぞ。てか、このモールで待ち合わせてたからな。ユウタとヒマリも迎えに来てくれたのか?」


 母親に迎えに行く場所を聞いておくべきだった。


「いや、僕らはたまたまです。母さんどこかで待ってるんじゃないんですか?」


「あぁ、すぐ戻るよ。そういえば父親は元気か?」


 もう話はいいんだけどな。


「はい、父さんはまぁぼちぼちですかね」


「そうかそうか、それならよかった。んじゃ、また後でな」


 大伯父は去っていった。


 大伯父が見えなくなってから、ヒマリが口を開く。


「相変わらず、圧が凄いよねあのオジサン……」


 確かに、僕もそう思う。


「母さんに待ち合わせ場所聞いてなかったよ、悪かった。ヒマリ、どっか買い物とか見たいものある?」


「ん〜、特にないけど……あ、日焼け止めと服を少し見に行こうかな。付き合ってくれる?」


 日焼け止め。そういうのを聞くと、ヒマリも女子なんだなって思う。


「うん、いいよ」


 そのあと僕とヒマリはショッピングモールで時間を過ごし、そして一緒に晩ごはんも食べてから、少し遅めに家に帰った。


 

 来週の合同納涼祭に、苦手な大伯父が同伴することになることを知るのは、もう少し後のことだった。


 

大伯父を避けて来たつもりが、まさかモール内で出くわしてしまう。


そんな大伯父が納涼祭に来る??

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― 新着の感想 ―
シュウジは嫌われているの? (´・ω・`) お小遣いはどんなときでも欲しいけどな〜w (´ε`)
叔父さん……じゃなかった、アニキ! 登場した瞬間から存在感がすごいですね(笑) そして最後の一文で思わず笑ってしまいました。 「来週の合同納涼祭に、大伯父が同伴することになる」 いや、来るんかーい!…
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