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俺と神様。  作者: かつ
第1章「誰も知らない漫画」
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32/35

32話「戯言、戯言。(ざれごと、たわごと。)」

黒猫は言う。


神様が言う。


「いずれこうなるのはわかっていた。」


あの空間のでき事を思い出した俺は、急いでいた。


たぶん、


神様には、


それがわかっていた。


俺が焦っている事を、


俺が取り戻そうとしている事を、


「焦るなよ。」


ざわっとゆらいだ笹の音が、焦っている俺を見越して、見兼ねた、神様の言葉で鳴り止んだ。


ちょこんと神社をバックに座る神様。


「阻止なんてしようとしてないし、こんな体じゃできない。」


っと言って黒猫は前足を舐めた。


「…なぜ俺を選んだ?なぜ俺に漫画を渡した?」


知ってはいたが、こいつの本心を知りたい。


俺はこいつの、


俺には見えない本心を、


俺には聞こえない本心が、


知りたかった。


正直、神と言うには、あまりに幼く。


正直、子供と言うには、あまりにませている。


正直、騙していた者の振りまいではなかった。


正直、この世で一番信頼していた。


「退屈だよ。」


黙って俺の気を聞いていたであろう猫は口にする。


その言葉は…


それは…


「それは…」


「俺はこの地球を見てきて思った。退屈で、何をしても、何が起きても、何でも知っている自分の、この「神」の座さえ退屈。全ての起こる事がわかる。そこでお前らのオリジナルキャラだよ。」


退屈凌ぎ…


そんな存在か…


なんとなく理解者だと思っていたんだがな…


猫はそんな俺の気を知って、顔を手で撫でながら、


「まあ、俺は理解なんてされないだろうし…」


っと思春期の中学生男子の様なこと言い出し続ける。


「まあお前には、あいつらは言っていなかったが、奴らとも賭けをしててな。」


「奴って?」


「生乃達って言えばわかるだろ。まぁ…内容聞くか?」


「いや…いい…」


「賭けは俺の勝ちなんだがな…」


沈黙と言うか、何かを…俺を待っているように見える。


「はやく言えよ。」


こいつは知っている。


俺が今からどうするか…


ノーマルで、


予定通りで、


いつも通りで、


言う通りに、


本に手を置こうとする。


「まぁお前は中々面白かったよ。」


っと俺とは反対側を向いて猫に言われる。


何も言い返さず、


何も言い返せず、


生乃達の言う通りにして、


本に手を置く。



言葉を言おうと空気を大きく吸い込んだ時の寸刻…


空気とは違うものが頭の中に入ってきたと言うより、滲み出てきたっと思ったら…


フッ…


「負けたよ…」


っと猫が言った。


なんの事かすぐにわかった。



そして猫は某カードゲームのパラレルレア位に煌びやかな光を放ち始める。


猫はこちらを向いて


「そうきたかーまぁ完璧負けたよ。」


っと猫は言うと、


そこにパタリと倒れ、光が消えた。


なぜ猫がこんなことになったのか、


なぜ神様がこうなったか…


今の俺は知っていた。


数秒前の俺は知らなかった。


以下回想。





続く

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