31話「回想参「あるもの、ないもの。」」
…殺されたって…
「まぁ殺されたと言うより、俺たちが自分で死を選んだのだがな」
生乃は俺から目線を反らし言う。
「お前の身の回りで起きたこれまでの事は神様がしてきた事だ…俺らにしてきたように…俺たちはそれに惑わされ死んだよ…」
「なんでおれの過去の記憶が消えたんだ?」
目線を戻す生乃、
「お前には色々あった。俺たちは、お前が記憶を無くす前から、ここにいる。」
「俺に何があった!?」
少し感情的になり、大声をあげる。
「まぁ、待て…お前はあるレースに参加させられた…強制的にな。」
ゴクリの生唾を飲んで、毛穴が一気に逆立つのに気がついた。
「レースとは?」
「簡単に言えば、デスレース…命をかけたレースだったがお前らには何も教えられなかった。」
「他のレース参加者は?」
「消えた。いや死んだ。ここには、来ない。オリジナルキャラだが…彼らは死んだ。」
「………死んだらどうなるんだ?」
「知りたいか?……また今度な…今は話が違う。」
はぐらかされた気がするが…まぁいいか…
「レースの内容って…?」
「…地球の五人のオリジナルキャラに「地球はあと三日で消滅する」と教える。ルールは、地球が消滅することを人に教えてはいけない。そして…縛りをかけられた。」
「縛り?」
「その縛りは実感、自覚はない。嘘を言えなくした。そしてその縛りは今も続いている。お前の中で!」
考えてもいなかった…嘘をつけない体か…
「そのレースでは、お前以外のやつは死んだ。お前は生き延びて、神様がお前の記憶を消して、あの漫画…『地球』渡した。」
…俺の知らない世界…
俺の記憶のない世界…
初めて俺の記憶を知ったが…
それは記憶ではなく、
あくまで記録。
俺に生きた自覚がない。
なぜ…
「何のために神様は…」
「それはわからないんだ…」
「ここに居たからっと言って奴の考えてる事はわからない。」
「そうか…」
神様が時たま見せていた、感情は何だったのだろう…
「それでお前に頼みがある。」
「はい…なんでしょうか?」
なぜか敬語になる俺…
「一ヶ月後に神様が帰ってくる。その時に人目のつかない所に、なんかの動物と漫画をもって行くんだ。」
「なぜ動物?」
「まぁ動物じゃなくとも人形でも良いのだが……お前の家に黒猫飼ってるだろ。」
…知らなかった…
「だから今の記憶を消してもらう。神様が帰って来る瞬間、心を見られたら困るからな…神様がその猫に入った時記憶を返す。」
「なぜ猫に神様が移るとわかる?」
「漫画を持ってる人には入れない。」
最後にっといった顔で生乃が言う。
「それで神様が現れたら、ある言葉を言って欲しい。」
回想終了
続く




