30話「回想弐 「死にました。」」
夢の住人は見境なく、自分から話はじめる。
「お前を見てたよ。」
いきなりのストーカー発言に警察の番号を反射的に思い浮かべる。
話してきた奴は、なぜか少し微笑を浮かべ、髪は短髪、身長は俺より少し高いくらい、そいつ以外の印象が解せない。
解せない…と言うのも…そいつあわせて五人、他の三人は何だか白い影があるかないか…
もう一人は長い髪が顔を隠して表情、性別さえ判断できない。
まぁ無論、白い影の方も性別はわからない。
しかし、この場所は、全く何もない…
「順を追って話すとするか…」
と言うと、一人だけ俺の主観では、人らしく自我を確立できてる奴…名前がわからないので…怪しい夢の住人Aが、まぁ座れや。と俺に言う。
俺と夢の住人Aが座ったのを見て、怪しすぎる白い影達ABCと…前髪が座る。
名前を一様聞いとくか…
「おれ…」
名前を言って、こいつらの名前を聞こうと思って声を出した瞬間…
「俺の名前は「生乃 力」だ。こいつらの名前は知らない。この三人は俺と話す力はあっても、お前と話す力は無いし…この前髪で顔を鉄壁ガードしてるのは、名前は「柴田」だ。しかし、喋らない。名前は俺が勝手に決めた。柴犬が好きらしい。喋らないのか、喋れないのか、知らない。初めて会った時から一度も声すら聞いてない。意思表示は頷いたり首を横に振ったりする。だよな?」
柴田は頷く。
頷くだけで、そこから何も言わない…
この生乃って奴以外とは意思疎通ができないと言う事…いや…生乃を通せばできるのか…しかし、こいつを本当に信用出来るのか、まだ決めるべきではない。
こいつが真実を教えるとは限らない…
「はっはっは」
いきなりの生乃が笑いだす。
「予想通りの疑り深い奴だな。俺は嘘は言ってないよ。まぁわかるように、お前の考えている事はわかる。しかし、俺らの考えてる事は、お前には伝わらない。」
…こいつら…まさか…
「まぁ俺らはお前が思っている類……神様とは違うから安心しろ。」
違うのか、
しかし、この話が話をしてないのに進む感覚は懐かしいが…こいつ…神様を知ってる。
まぁオリジナルキャラっと言った時点で、神様とかの考えは薄かったのだが…可能性論的にも残しておいたが、今ほとんど…こいつの言う通りなら違うな。
「…うーん…次は何を話せば…」
そして、生乃は、少し考えた後にゆっくり話し始める。
「厳密に言えば…ここは、お前の夢の中ではない。」
…まぁ何となくはわかってたけど…
俺の夢に出てきて、聞いた事のない名前を名乗るやつがいる夢なんて…
なんかいつか見そうな夢だ…
「ここは、この場所は、簡単に言えば『茎』だ。」
茎…?
「『根』が…宇宙だ。まぁ『枝』でも良いがな…」
…
「宇宙は広いって話か?それで…ここは宇宙を客観的に観察できる場所…別の場所みたいな…」
俺が生乃の少ない、この場所の比喩を聞いて考えられた事を述べた。
「違うな…」
一刀両断された。
「まぁ半分正解…宇宙が広いから『根』と表現したのではない。宇宙はいくつもある。いや、宇宙に似た物がいくつもある。マッチ箱くらいの箱がビックバンを起こして宇宙が生まれたとされている。その日ビックバンが他の空間にも起きたんだよ。」
…多世界解釈って事なのか…
「まぁそうだな。コペンハーゲン解釈で説明がつくよ。」
今度から思った事は口に出すとするか…自分だけ心を見られるのは慣れてるが…癪だな…
そんな俺の考えを聞こえてるくせに無視して続ける…
「そこでは、宇宙と呼ばれてなかったりするから宇宙ではない。」
…まぁなんとなくわかってきた。
「ここはその全ていくつもある宇宙を観察できる場所かなその表示が正しいな。ここを神様は使って、その色々な宇宙に行く。」
なるほど…
「君たち五人はなぜここに?」
「俺達は言った通りオリジナルキャラだ。俺と柴田はお前と一緒の地球にいた。この三人は、違う地球…まぁ地球と呼ばれてないらしいがな…」
「どうやってきたんだよ?」
…
沈黙をした生乃…
「俺は神様の力によって命を落として、死んだから…ここに居る。」
…
続く




