16話「機械馬鹿。」
なんかそんな感じがしていたが…
「ないってアンチぐらいあるだろ?」
野市が焦ったように聞く。
「ないんだよ。むしろ称えたり、褒めたりするスレはいっぱいある。あと…どうやって死ぬか、とか…」
明生も驚きを隠せきれない感じで動揺しながら言った。
「つまりは、いやもしかしたら、この事を考えてるのは…世界で俺らだけかもしれない。」
そんな今の状況を俺が綺麗にまとめてみた。
我ながら良い実況であると自賛した。
「いや…いや…それはないだろ?だって人の命だぞ?終わるかどうかなんて他人に決められて良いのかよ?」
「そんな根本的な話はさておき、今から俺らはどうする?」
取り乱す野市をスルーして話を進める明生。
「野市、お前はどうしようっと思ってたんだ?」
明生があらためて聞く。
「いや、どっかに隠れてみんなが死んだら普通に暮らそうかなって感じで…」
「無理だな…」
同感であった。
正直、そんな考えではこの事は一件落着とはいかないと思う。
「例え、俺らだけが生き残っても、そこからの生活が難しい。みんないないんだから、電気もない。水もない。自給自足だ。お前にできるか?いや、俺たちにできるか?いいや、出来ないだろう。」
「じゃどうするんだよ?」
パソコンに何かを打ち始めている、明生が答える。
「野市、宇多、よくよく考えて見たが…俺はあの大統領…あの演説自体に裏がありそうな気がするんだよ。あんなこと一国の大統領とは言え、絶対なんか陰謀、因果があるに決まってる。」
言いながらもパソコンから目をそむけない。
「じゃ具体案はあるか?」
野市ではなく俺が問う。ちなみに野市は何だか難しい顔をしている。何かあったのだろうか…まぁ大体予想はつくが…
多分、この数時間での俺の収穫は野市は元気で明るく難しい話がちょっと苦手な感じだな。
明生はクールで案外頭も良いぽい…言うなれば動と静だな。明生が静で野市は動、結構良いバランスだな。
っと自己紹介のとき「趣味は人間観察です。」なんて言っちゃう様な奴の考える事を頭に並べてみる。
まぁ多分、自己紹介も何も…自己がわからない俺は…履歴書の隅に小さく「記憶喪失」と書かないといけないのかな…
そんな戯けを展開を知ってか知らずか…明成が話し始める。
「ハッキングだよ。ホワイトハウスにハッキングして何か探してみるんだよ。」
…って…ホワイトハウスって…
「お前そんな事出来んのか?」
野市がそう言って、急に目をキラキラさせ、さっきの顔を忘れさせてしまうほどの変貌を見せた。
「できるわけなかろう!」
なぜか胸を張る明生を見て少し肩が下がる野市だったが…
「野市、お前ハッキングは知ってんのか?」
「前やってたドラマの「ブラッティ・フライディ」見たから、どう言うのかは少しはわかる。」
フレディが来そうな名前だな…
「まぁあてが無い訳でも無いのだが…今パソコンで調べたんだが…」
パソコンの画面をこちらに向けて明生は続ける。
「ハッキングの大会があってそれの今年の優勝者が最年少らしい。しかも俺らの同じ学校にいる。」
そこにはパソコンプログラムの大会の歴代の優勝者の名前が並んでいた。
「しかし…それプログラムの大会だろ?プログラムじゃハッキングスキルの事わかんないだろ…?」
俺がにわかながらも質問する。
「まぁそうなんだが…その大会、実は選手同士の邪魔し合いが認められてるんだよ…」
「つまり…ハッキングをして邪魔してプログラムを作るって事?」
明成がパソコンをシャットダウンしながら言う。
「そう言うこと…しかもその優勝者は他の参加者全員のパソコンのOSをぶっ壊して優勝したんだ。」
すごい…と思うわからないが…
「まじ?凄いじゃんそれ!」
野市が言って気が付いて見て見た時にはまた目の輝きを取り戻していた。
しかし、同じ学校にいるなんて…偶然だ。
僥倖っと言っても過言でも無いだろう…
「っでそれって誰よ?」
っと野市
「海馬 木香 (かいば きか)だ。」
「「ダレソレ?」」
聞き慣れない名前が俺らの鼓膜を揺らした。
続く…




