14話「ある夢。」
昼休みに明生が話しかけてきた。
「明日もし野市が来てなかったら学校終わったら、校門前だ。」
「わかった。」
俺、明生や野市の中では、かなり挙動不審になってんだろうな…
前はどんなやつだったんだろう…?
そんな事を考えながら最後の授業を受けていた。
ちなみに俺は理系クラスで今は数学Bの時間だった。
しかし先生が何を言ってるのか、さっぱりだった。さっぱりっと言うのは内容が難しいわけではなく、本当に何を言ってるのか、聞き取れない速さで、授業を進めていた。
早口教師+滑舌悪+授業速度=落ちこぼれ
この方程式が成り立ちそうに、なっていたため、自分で教科書を読む事にした。
案外簡単だった。
そんな感じで、その日の授業は終わり、家に着いた。
家に着いたが、やはりと言うかいつも、親は出かけていて家には誰も帰宅を出迎える人は、いなかった。
放任主義なのか?
寂しくなかったがそれが、寂しかった。
ご飯は冷蔵庫に大きめの一枚皿に三品のおかずがあって、ご飯は炊飯器に炊きたてができていた。
しかし、喋らないにしても何も喋らない家族だな…こんなもんなのか…
ご飯を一人で食べ直ぐに風呂に入って忘れるために、寝ることにした。
その日は夢を見た。
多分これも始めての体験なのかもしれない。
光に惹かれて見蕩れた。
その光は五つの山になっていて人にも見える。
そんな不思議な良くわからない、やおいなしな、起承転結ならず起床…(きしょうてんてん)だった。
起きて直ぐに少し自分が精神病になったのでは?と疑いながら着替え家を出た。
「俺が見た夢についてなんか質問ある?」
なんとなく神様に聞いて見た。
「人は夢を見るがなぜそれを現実世界でも最終目標や求める物を夢と置き換えるのかわかるか?」
質問があるか否かの質問を質問で返された…て言うか何も答えてない。
正直、会話は成り立っていないが…
「知らないよ。そんなの夢にまで見るからじゃないのか?」
とりあえず質問を質問で返した質問を、質問で返した。
「それもあると思うが、それ等を夢と言うだけでなくなる物がある。」
無くなるのに有る。
そんな物は基本的にそう言った物は目に見えない物だ。
見えないのに有る。
例えば、ご飯を食べて食べ物は無くなったが、
満腹感は有る。
そんなの感じの事だろう…
例えば、人が亡くなったのに、
死体は有る。
そう言ったものだろう…
例えば、記憶は無くなったのに、
生きる意思はある。
そんな様な意味だろう…
「なくなるのは、現実味だ。目標を夢と言い換えるだけで、その事が薄味になる。必死でやっている自分を隠す様にな。」
学校について授業になっても、その事を考えている。
どうせ後から教科書を見ればわかる事だしな…
薄味か…現実味をなくして頑張ってる自分を隠す。
努力する事は恥ずかしい事なのか?
そんな議題があれば俺は迷わず「恥ずかしい事である。」っと言うだろう…
努力すれば失敗をする失敗は戯けていて、恰好がつかなく、人には見せたくない。
そんなもんだろ…そう言う事だと思う。
だから諦める奴がいて、それを夢と呼ぶ。
そんな事ばかり考えていると学校が終わっていて。
終わった時に思い出して野市を探した。
今日は野市は休みの様であった。
まだ確定ではないが…すぐに校門に向かった。
数分、待つと明生が来て確信になった。
「すまんな…先生に呼ばれててな。」
「そうなんだ…じゃ、行くか。」
と言う、明生の掛け声に、おう。っと俺が返して進み始めた。
それからは…
会話が無かった…
どうはすればいいのか…とりあえずなんか話さないといけないのかな…
「なんで先生に呼ばれていたんだ?」
「なんか野市無断欠席らしい、だから見てきてくれだってよ…まぁちょうど良かったな。」
「あぁそうだな。」
ここから会話は続かず、着くまでは、明成は気まずいのか、ただ、ただ、考え事しているのか…よくわからないが野市の家に着いた。
とりあえず俺の頭の中は明成の事で頭がいっぱいだった。
ホモホモしい限りの表現である。
すると、
「宇多、無口になったな。」
まずい!?
「考え事してた。」
って事にして、
「ここが野市の家?」
話を変えた…
「そうなんだ。」
そこは豪邸とは言い難いが、それでは小さいか?っと言われれば、違う、何とも言えない、中くらい一軒家であった。
インターホンを押すと女の人、母親と思われる人の声がして、学校の友達っと言うと、こころよく招き入れてくれた。
「いらっしゃい、よく来たね。あら今日は一見様がいらっしゃるのね。」
母親と思われる女性が俺に話をふってきた。多分インターホンの女の人はこの人であろう。
俺はその人に一礼して社交辞令程度の挨拶をした。
「こんにちは、野市君と同じクラスの宇多です。」
噛まずに言えた。対人恐怖症か?俺は…多分コミュニケーション障害はあるかな…
「あらあら、そうなのよく来たね。じゃ上がって、康介なら上にいるわ。」
康介って名前なのか…
「「お邪魔しまーす。」」
二階に上がりドアに「こうすけ」と書かれた表札が垂れ下がっている部屋の前で足を止める。どの部屋か聞きそびれた…
「ここかなぁ?」の俺の問いに
「多分そうであろう…」
「そうか…ってお前きた事あるだろ!」
ツッコミがコミュ障を乗り越えた気がした。
俺の声のせいからか中から
「入っていいよー。」
っと野市の声が聞こえてきた。
「お邪魔しまーす。」
明生が言ったので釣られて。
「お邪魔しまーす。」
すると、
「なんだ!宇多も来てたのか!珍しいな。」
野市の言葉に、
「いや、こいつ位しか、話に食いつかなかった。」
と明生に返されて。
むっとしたが…
野市は悲しいなっと落胆した。
「本題に入る。」
野市は凛として背筋を伸ばし言った。
「俺は死なない、自殺せずに、逃げてみないか?」
明生が「やっぱりな」っと言った。
俺は…
なんとなく。
なんとか…っとホッとした。
続く…




