12話「始ったな…。」
大統領の演説?宣言が終わったあと僕たちは水をかけられたように別々に別れた。
真宵が「帰ろっか?」と言って俺が「うん」と答えた。
俺が送って行こうかと尋ねたが真宵は断って、
「大丈夫。」
っと言って人ごみの中に混じって行った。
俺も先ほどまでの酔いが消えてしまい…
どうして良いかわからず、家に帰ることにした。
帰宅する道の丁度、中間地点に差し掛かったぐらいで、俺はさっきの映像を思い出していた…
以下回想。
「理由もなしにこんな事を言っている、わけではありません。」
大統領は座っている椅子から立ち上がり両手を孔雀の求愛行動の時の様に広げ堂々と語る。
立ち上がった大統領を予測していたようにカメラが切り替わり、違う角度から話し始めた。
星条旗を横の旗たてに立ててありその横を大統領が通る。
「みんな知っての通り、地球は温暖化になり、氷が溶け陸地が消える。そして、森では、元から住んでいた、民が消え、そのせいで、増えた動物を殺しまくる。そんな我々だよ。」
大統領は「我々だよ。」の瞬間、胸を強く叩いた。
言葉は同時に日本語に訳しているのだろう。
「言いたい事わわかるだろう。しかもこれは全世界で放送されてるから、皆が見ている。皆に問う。誰がここにいるために、こんな世界になった?」
「我々だよ。」今度は胸を先ほどより弱いが力強く叩き、目は真剣な眼であった。
「皆に問う。この事態はどうすれば良い?皆が背負う責任であり、任務である。」
机に少し凭れて、
「我々が消えるべきだ。」
と言って続け、少し間を開けて話し始めた。
「人の事を考えろと反論があるだろう。私は血迷ったわけでも無いし、勿論、薬をしているわけでもない。」
そこでにこりと笑うが、またきつい顔に戻る。
「私が人である事も、人の事も忘れた事はない、むしろこれは地球全体を考えての事である。」
「一ヶ月後には、もうこの世にいる人間はいないようなプランができている。数日もすれば、貴方!貴方の家にも連絡がくるから待っていてくれ。」
「悲しい事だが我々人間はこの地球のゴミだ。」
「最後に…」
大統領は人差し指を上に上げて。力強く、
「YES WE CAN!!」
最後の言葉だけ訳されなかった。
そう言う演出か…
回想終了。
俺は「なるほど」っと
こう思ってしまった。
人がいなければ、
この世にいなければ、
そう思ってしまった。
まぁこんな事絶対無理であると思けどな。
アメリカ終わったな…
むしろアメリカ始ったな…
こんなことして日本は例外として他の国から反感を買うに決まっている。
そう考えてると、
家に着いた。
家には誰もいなくテレビをつけた。
テレビではニュースがやっていてさっきの宣言の事をやっていると思ったら、何もしていなかった。
あれ…??
チャンネルを変えても、なぜかやってない?
これだけ大規模な活動をして誰も何も言ってない事はないだろう。
いくら日本にいるからって反論が一つもないって訳ではないだろ…
「朝まで議論!!」とかそう言う系統の特番があってもいいはず…
なぜだ?
疑問と冗談ではない事が一人のニュースコメンテーターの発言で解消と言うより爆発した。
「あと一ヶ月で消えるのに株の話してもね?わははは!」
続く…




