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GOOD LUCK  作者: risiyakaea


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第63話『それぞれの道』


セントラルの街門が見えてきた頃、カイルが大きく息を吐いた。


「はぁ……」


緊張が一気に抜けたような顔だ。


ミアも肩を回す。


「さすがに疲れたね」


リナが笑う。


「初依頼みたいなものだもんね」


カイルは苦笑する。


「ウルフはなんとか倒せましたけど……」


そして少し遠くを見る。


「ブラッドボアは……」


思い出したように言う。


「化け物でした」


タクミが肩をすくめる。


「まあ、あれは新人が相手するもんじゃない」


ミアが言う。


「でも、見れて良かったです」


タクミを見る。


「Sランクの戦い」


タクミは少し困った顔をする。


「そんな大したもんじゃない」


リナが横で笑う。


「いや、十分すごかったけどね」


そんな話をしているうちに、四人は冒険者ギルドへ戻っていた。



扉を開ける。


中は昨日と同じように賑わっていた。


カウンターへ向かうと、受付嬢がすぐに気付く。


「あ、タクミさん!」


そして新人二人を見て、少し驚いた。


「無事戻られたんですね」


カイルが胸を張る。


「はい!」


「ウルフ討伐、成功しました!」


受付嬢がほっとした顔をする。


「良かった……」


その声を聞いて、奥からバーグが出てきた。


「戻ったか」


四人を見る。


「どうだった」


タクミが答える。


「ウルフ三体」


「それと……」


少し間を置く。


「ブラッドボア一体」


バーグの眉が動いた。


「……は?」


ギルドの空気がわずかに静まる。


バーグが聞き返す。


「ブラッドボア?」


タクミは頷く。


「森の奥で出ました」


バーグはしばらく黙っていた。


それから新人二人を見る。


「お前ら……よく生きてたな」


カイルが慌てて首を振る。


「い、いえ!」


「倒したのはタクミさんです!」


ミアも頷く。


「一人で」


ギルドの中がざわつく。


「一人で?」


「ブラッドボアを?」


バーグはタクミを見る。


少し呆れたように言った。


「……お前ら本当にSランクだな」


タクミは苦笑する。


「だから言ったじゃないですか」


バーグは腕を組む。


「森の調査団も、さっき戻った」


タクミとリナが顔を上げる。


「結果は?」


バーグはため息を吐く。


「お前らの言った通りだった」


「アイアンマンティスの巣は壊滅」


それから少し笑う。


「本当に三十体以上倒してたらしい」


リナが小さく笑う。


「そっか」


バーグが続ける。


「報酬は後でまとめて出す」


タクミは軽く頷いた。


「お願いします」



一通り報告が終わると、カイルとミアがタクミたちの前に立った。


そして深く頭を下げる。


「ありがとうございました!」


ミアも続く。


「本当に勉強になりました」


カイルが言う。


「いつか僕たちも、あんな風に戦えるようになりたいです」


タクミは少し笑う。


「そのうちなれる」


ミアが言う。


「また会えたら嬉しいです」


リナが頷く。


「ええ」


「頑張ってね」


二人はもう一度頭を下げると、ギルドを出ていった。


扉が閉まる。



その時だった。


リナの耳元で声がする。


「ねえ」


振り向く。


ミアがこっそり戻ってきていた。


小声で言う。


「さっきの話」


リナの顔が一瞬で赤くなる。


「だから違うってば!」


ミアは楽しそうに笑った。


「ふふ」


そして小さく囁く。


「応援してるね」


そう言うと、すぐにギルドを出ていった。



リナはしばらく固まっていた。


タクミが不思議そうに見る。


「どうした」


「顔赤いぞ」


リナは慌てて顔を背ける。


「な、なんでもない!」


タクミは首を傾げる。


「?」


バーグがその様子を見て、少し笑った。


「……平和だな」



セントラルのギルドは、今日も賑やかだった。

読んでいただきありがとうございます。

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