第66章 真実の迷宮
竜司は親友の面影をじっと見つめていた。
彼の瞳は以前の情熱を失い、冷たく乾いていた。
「なぜ、裏切った?」
竜司の声は震えていたが、それでも問いただす勇気を振り絞った。
親友は沈黙の後、ゆっくりと口を開いた。
「俺は……もう、あの頃の俺じゃない。
佐久間の圧力、金の誘惑、家族の問題――色々あった。
お前たちの戦いに巻き込まれて、俺の人生は壊れたんだ」
竜司の心は乱れた。
「それでも、仲間を売るのは許されることじゃない」
「分かってる。でも、あのままだと俺も死ぬだけだった。
佐久間に従うしかなかった」
親友は涙を流しながら、過去の苦悩を吐露した。
「俺だって裏切りたくなかった。だが、あいつらの恐ろしさは想像を超えてた」
竜司は深いため息をついた。
「裏切りは裏切りだ。だけど……お前が何を背負ってきたかも知りたい」
「俺は……お前たちのことを憎んでいるわけじゃない。
ただ、このままだとお前も巻き込まれて死ぬだけだ」
竜司は立ち上がり、親友の肩を掴んだ。
「なら、俺たちと共に戦え。真実を暴こう」
親友はその言葉に戸惑いながらも、ゆっくりとうなずいた。
「分かった。だが、これからが本当の地獄だな」
彼らはかつての仲間として、再び共闘する決意を固めた。
だが、互いの心に深い傷を残したまま。
その夜。
美咲と九条は、竜司と親友の和解を遠くから見守っていた。
「これでいいのかしら……?」美咲は不安げに呟いた。
「裏切り者が戻ることで、また混乱が生まれる。だが、彼なしでは勝てない」九条は冷静に答えた。
翌朝、竜司たちは新たな作戦を練り始めた。
親友の情報を活かし、佐久間の組織の弱点を突く。
しかし、その矢先、情報が漏れたことを察知し、さらに大きな罠が仕掛けられていることに気づく。
「これが……最終決戦の始まりかもしれない」
竜司は拳を握りしめ、仲間たちに向き直った。
「全員、準備しろ。命を懸けて闘うぞ」




