第67章 罠の中の盟友
朝焼けが街を染める頃、竜司たちは新しい拠点で会議を始めていた。
親友の情報は貴重だったが、それが逆に大きな危険をもたらしていることに気付いていた。
「情報が外部に漏れた可能性が高い。敵は我々の動きを完全に把握している」
九条は険しい表情で言った。
「つまり、あの罠は俺たちを誘き寄せるためのものだった可能性がある」
沙希は震える手で拳銃を握りしめながら言った。
「じゃあ、どうすればいいの? 全員で動いたら全滅しちゃう」
美咲は冷静に答えた。
「分散して行動するしかないわ。でもそれだと連携が取りづらくなる」
竜司は深く息を吸い込んだ。
「なら、俺が囮になる。お前たちは別のルートで動いてくれ」
皆の視線が竜司に集まる。
沙希は不安そうに見つめたが、竜司の決意の固さに押し黙った。
「分かった。俺たちが背中を守る」美咲が力強く言った。
九条も頷いた。
「互いに無線で連絡を取り合い、危険があれば即座に撤退だ」
その夜、竜司は単身で敵の監視ポイントへと向かった。
暗闇に紛れ、細心の注意を払いながら進む。
彼の心臓は高鳴り、汗が背中を伝う。
「この一撃で全てを崩す……」
そう自分に言い聞かせ、潜入を続けた。
一方、沙希たちは別ルートで佐久間の資金源を探り始めていた。
情報を集め、証拠を固めるために動く彼女たちの背中には、竜司への信頼と不安が入り混じっていた。
竜司が監視ポイントに辿り着くと、数人の用心棒が警戒していた。
銃声一発で制圧するわけにはいかない。
慎重に隠れながら、情報収集を始める。
すると、無線から沙希の声が聞こえた。
「竜司、大変! 敵の増援が来てる!」
竜司はその声に反応し、すぐに退避を決めた。
しかし出口付近で、待ち伏せしていた複数の敵に囲まれてしまう。
「ここまでか……」
竜司は覚悟を決め、拳を握りしめた。
だが、その時、闇の中から銃声が響き、敵の一人が倒れた。
沙希と美咲、九条が駆けつけ、竜司を救出した。
「お前、無茶しすぎだ」沙希が息を切らせて怒った。
「これで終わりじゃない。まだ戦いは続く」
竜司は苦笑いしながら頷いた。
「みんな、ありがとう。俺一人じゃ駄目だ」
だが、闇の中にはさらに大きな陰謀が蠢いていた。
敵もまた、連携を強め、次の一手を準備している――。




