第46章 闇夜の脱出
薄暗い廊下に二人の足音が響く。
拓真は竜司の腕を支えながら、素早く周囲を見回した。
警報の音が遠くから鳴り響き、緊迫感が増していく。
「この先に非常口があるはずだ。急ごう」
拓真の声は冷静だったが、その瞳には焦りが滲んでいた。
背後からは足音が近づき、複数の影が通路を走ってきた。
警備員たちが彼らの存在に気づき、銃を構えて追跡を始めた。
「ここで捕まるわけにはいかない」
竜司は息を整えつつ、覚悟を決めた。
狭い階段を駆け下り、非常口のドアに辿り着く。
拓真は手早く鍵を外し、二人は外の冷たい夜風に飛び出した。
しかし、そこに待ち構えていたのは、暗闇の中に潜む数人の男たちだった。
「逃がさんぞ」
リーダー格の男が冷笑を浮かべ、拳を振り上げた。
竜司はその一瞬の隙を見逃さなかった。
「拓真、こいつらを足止めしてくれ!」
拓真は無言で頷き、男たちに突進した。
激しい殴り合いの中、竜司は冷静に状況を見極めていた。
不良時代に鍛えた喧嘩の腕前が、今ここで役に立つとは思わなかった。
拓真が数人を押さえている間に、竜司は後方の路地へと逃げ込んだ。
息を切らしながらも、二人は連絡手段を確保するため、隠れ家へと急いだ。
「まだ安全じゃない。すぐに仲間に知らせないと」
拓真が携帯電話を取り出し、秘密の番号にかける。
電話の向こうから、低く頼もしい声が返ってきた。
「了解。準備は整っている。お前たちの居場所を伝えろ」
竜司は深く息をつき、これから始まる戦いの決意を固めた。
「これからが、本当の勝負だ」
二人は夜の闇に溶け込みながら、新たな戦いへの一歩を踏み出した。




