第45章 希望の残滓(ざんし)
竜司は冷たいコンクリートの床に横たわりながら、微かな光を探していた。
拘束された腕の感覚は鈍く、薬剤の副作用が身体を蝕んでいるのをはっきりと感じていた。
「こんな場所で終わるわけにはいかない」
彼の心はまだ折れていなかった。
部屋の壁に取り付けられたモニターに、再び美咲の姿が映し出された。
彼女はデスクに座り、冷静にデータを解析している。
「美咲……お前は本当に何を考えているんだ?」
竜司は声にならない声で問いかけた。
返事はなかった。
その時、部屋の扉が開き、拓真が現れた。
「竜司!」
彼は拘束を解くための工具を持っていた。
「ここに来るまでが大変だった……でも、絶対に助けに来るって約束しただろ」
竜司の目に涙が浮かんだ。
「拓真……ありがとう」
拓真は素早く拘束具を外し、竜司の体を支えた。
「ここから逃げ出そう。もう二度とこんな場所に戻らなくていい」
二人は息を潜めながら部屋を後にした。
廊下には無数の監視カメラと警備員の目が光っている。
拓真は冷静に周囲を見回し、隙を見つけて先を進んだ。
だが、どこかで警報が鳴り響いた。
「まずい!時間がない!」
廊下の先から複数の足音が迫る。
二人は急ぎ足で隠れ場所を探し、暗い通路へと身を潜めた。
「俺たち、ここから脱出できるのか?」
竜司は息を整えながら問いかける。
拓真は決然とした表情で答えた。
「絶対に逃げる。お前と仲間たちのために」
二人の影は暗闇の中で重なり合い、希望の灯火となった。




