第5話 †試験と学園†
翌朝
「アーシェくん!!アーシェくん!!!おきて!!!!!」
「う、うーん、うるせえなぁ。どうしたんだいアマラ・・・」
「しけん!し・け・ん!!遅れちゃう!!!」
「昨日のあれマジだったのかw」
「マジもマジ、大マジよ!早くしたくして!!」
ダッシュで着替えを済まし、アマラと一緒にダッシュでクレッセン魔法学園に向かう。
学園に着くと入試の手続きと手数料の支払いをアマラがやってくれた。
「げぇ・・・銀貨3枚も取るのかよ」
「昨日の売り上げがあるから全然余裕だよっ!試験がんばってね!!」
手を振るアマラに送り出され試験会場に向かう。
そういや試験て何やるんだろう??筆記と実技??筆記はともかく魔法使えないからどうしよ?
悩みながら歩いていると会場に着いた。
「受験生諸君!これから魔力量測定を行います。ここにある水晶に手を乗せると隣の魔道具に数値が表示されます。魔法を使うには素質はもちろんですが魔力量がある程度ないと使えません。なので数値が100以下の方は『失格』となります。」
なるほど、水晶に手を乗せるだけならオレでも大丈夫そうだな
「心の準備ができた方から順番に水晶に手を乗せてください。」
水晶は全部で5個ある。5つの列ができたのでオレは3つ目の列に並ぶことにした。
「次の方どうぞ~」
オレが呼ばれたので水晶玉に手を乗せた。
「しばらくすると数値が表示されます」
目線を魔道具にうつす。
瞬間、水晶玉の方から強烈な光とともに破裂音が響いた。
水晶玉の方に目をやると水晶玉は跡形もなく砕け散り空から微細な破片が降り注いだ。
「ちょ・・・・ど、どういうことですか!!??」
試験官の方を見る。
白目をして泡を吹いている。
オレは魔道具を見た。
一瞬だが「99999999999」と表示され消えた
オレは気づいた。魔力量多過ぎて壊れたのだと
弁償できる金額なのか震えていると偉い人っぽい人たちが集まってきた。
「キミ、ちょっといいかな?」
20代くらいの長身の身なりのしっかりした男、金髪で耳先が長いからおそらくエルフ族、が話しかけてきた。
「あ、はい。なんでしょう」
「ちょっと場所を移してキミのステータスを測定させてもらいたいんだ」
「えと、試験の方はどうなるんですか?」
「もちろん、合格だとも。我々はキミの入学を歓迎する。ただ、どのランクの教育が必要となるのか調べておきたくてね。いいかな?」
「わかりました。ついて行きます」
オレは合格したみたいだ。
別室に移るとそこは研究機関の一室のようだった。
物々しい検査機器が立ち並び、いかにもインテリ風な人たちが働いていた。
「この機械で測定するからここに座ってもらっていい?」
先ほどのいけめんエルフに促され椅子に座る。
「じゃあ測定始めるけど痛いとか苦しいとかないから安心してね」
「それはよかったです」
オレはなんとか笑顔を作りながらいけめんに応えた。
「じゃあ、測定始めて」
いけめんが指示すると機器から重苦しい音が発せられた。
「そのまま動かないでね」
震えて待つオレにイケメンが優しい声で「この機械はね、判定できない数値やスキルは『測定不能』って表示されるようになってるんだ。壊れないから安心して」と囁く。
オレにASMR聴かせてどうするつもり??
なんて冗談も考えられるほどリラックスできた。
「さて、そろそろ測定おわるかなー。んんんッ!?」
名前:アーシェ・ルーファス 種族:ヒューマン 性別:男
レベル41 階位:ステージ6 職業:村人 称号:測定不能
攻撃力:550 魔法攻撃力:326 防御力:395 魔法防御力:251
装備品:手斧(+13) クマ皮の服(+5)
〔ステータス〕残りポイント0
HP:測定不能/測定不能 MP:測定不能/測定不能
腕力:545 体力:415 知力:575 信力:340 魔力:735 敏捷:810 幸運:343
〔固有スキル〕
魔力操作:測定不能 状態異常無効:測定不能 豪運:測定不能
測定不能:測定不能
火魔法:測定不能 土魔法:測定不能 風魔法:測定不能 水魔法:測定不能
光魔法:測定不能 闇魔法:測定不能 聖魔法:測定不能 無魔法:測定不能
〔職業スキル〕
経験値UP(小) 皮はぎ:B 皮なめし:C 血抜き:D
「・・・・な、な、な、なんだこれはっ!!!!!!!!!!!!!!」
いけめんが驚愕している。
「このようなことがあり得るのか???ソウルランクが6??この年齢で???攻撃力も魔功力も防御力も魔防力もあり得ない数字だ。ドラゴンすら単独で倒せるんじゃないか???ステータスも魔力735??伝説の大魔道士ですら200超えるくらいなんだが???敏捷800??魔弾の速度を敏捷に換算すると100なんだぞ???すべての攻撃魔法を回避できてしまうじゃないか!???使用可能な魔法属性も全属性とか・・・こんなことがあるのか!???」
イケメンの早口にオレも驚愕した。
「これほどとは思わなかった。これでは戦略級どころか国家殲滅級とでも言おうか?とてつもない魔導師になるのは間違いあるまい」
イケメンはハッとしてこちらを向いた。オレの存在に気付いたようだ。
「すまない。動揺してしまった。キミは魔法が使えるのかい?」
「使えない。魔法を覚えたいから学園に入ろうと思った」
「そうか、魔法を学ぶならば例えば私の祖国、エルフリア魔導国で学ぶのはどうだろう?門外不出のエルフの秘術もキミにならば教えてもらえよう」
「いや、アマラに金払って貰ってまで学園の試験を受けたんだ。オレは学園で勉強したい」
「ならばキミの意思を尊重します。ただエルフリア魔導国にはいつでもキミを受け入れる準備があることは覚えていてもらいたい。魔導王にもそのように伝えておきます。」
「ありがとうございます。しかし、エルフリア魔導国の王にツテがあるんですか?すごいですね」
「ああ、そういえば名乗っていなかったね。わたしは、クレッセン魔法学園長にして、エルフリア魔導国公爵ネレウス・デュ・エルフリース、ネレア・デュ・エルフリース魔導王の弟なんだ。」
よく分からないがエルフとのツテが出来たみたいだ。
「それでだね、この学園で勉強するとなるとどこも力不足でどこも敷居が高くなってしまうんだ。」
「どゆうこと?」
「キミは膨大な魔力量に全ての魔力属性に適正があり、さらに魔力操作も測定不能となるほどの能力の持ち主。だけれども魔法を使うことができない。そうだね?」
「うん、そのとおりだな」
「となると個別授業が最適なんだが、あいにく空いている教師がわたししかいなくてね?キミが嫌じゃなければどうだい?」
「オレはだれでも構わないですよ?魔法が使えればいいんだから」
ネレウスの顔が晴れやかになった。
「ならば決まりだね。さっそく明日から授業をはじめましょう」
「そうだな。あとは便宜上のクラスとして『特待生クラス』に在籍してもらうことにしますね。」
「特待生クラス?」
「学生の中でも特に秀でた者が入る特別なクラスのことなんだけど・・・キミの能力はそこですら持て余すことになるだろうねぇ」
「学校のことは追追教えていきますので取り敢えず今日はここまでにしましょう。明日は朝の9時から授業を開始しますので遅れないよう登校してきてくださいね」
「わかりましたー、あしたからお世話になります」
オレはクレッセン魔法学園を後にした。




