↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
38/59

侵略阻止計画 其の八

「サテ……こいつは、どうしようカ」


〝鎌持ち〟が呟く。

 目の前には、存在定義済みの神樹。

 定義前では、魔力は圧倒的に〝鎌持ち〟のほうが上だった。

 だが、定義された今では――


 例えるならば、子供と大人。

 見習い魔法使い(ナイーブウィザード)と、上級魔術師(アークウィザード)。

 蜥蜴人(リザードマン)と、竜族(ドラゴン)。

 蛙(かわず)と、蛇。

 それほどの実力差がある――と、鎌持ちは悟っていた。


(コノままでは、相棒までも失いかねナイ……。既に兵タチは、ニンゲンの手で全滅している。ニンゲン側にも死傷者はデテル筈だが、望ミは薄イ……ナラバ――)


〝鎌持ち〟は、閃く。

 この方法ならば、リベルを殺せるかもしれないと。

 だが、それは人から見たら非人道的だ。

 ――しかしそれを平然と実行し、自由を殺せるのが、〝鎌持ち〟であった。


「ハハ……さあ、やるゾ――」


 悪意と憎悪が、牙を研ぎ始める。


◆◆◆◆◆◆


 溢れ出る力。

 定義前(さっき)までは脅威と感じていた〝鎌持ち〟でさえ、今ではただのカマキリにしか見えない。


 ――おっと、いかんいかん。

 こんな考えをするのはご法度だ。今すぐやめろ。

 そう考えていると、鎌持ちが喋る。


「アノ時の力を、取り戻せテさエいれバ――」


 ――あの時?

 もしかしてこいつは、かなり永く生きているのか?

 口ぶりからして、四桁以上は言ってそうだが。


「――イや、モういい。リベルよ、自由を象徴する神樹ヨ――」


「…………」


「自由ナノダロウ? ナラバ、選べ」


 怒気を孕んだ声で告げられる。

 すると、ココンが目で追えない速度でバルドの方へ走り、腕でバルドたちを縛った。

 これは、まずい――


「バルドを助けるカ、アラベルを助けるカ。あるいは、両方見捨てルカ」


 俺は人を助けたことで、人類を救済するという、自分でもおかしいと思うほどぶっ飛んだ目標を掲げた。

 そして、俺は止まらない性格だ。


「……バッカでぇ」


 敵となる奴らと相対したことで、何も起こらないわけがなく――

 だが、そんな自体になっても、俺は必ず目的を達成するのだ。

 そう、決めたのだ。


「――ア?」


「我――いや、もうやめだ、やめ!」


 もう吹っ切れた。

 ロールプレイだぁ? んなもん楽しむだけでいいんだよ。日常生活でやっちゃただの《《フリ》》だよ!


「俺は、人を助ける。言ったよなぁ!? 両方見捨てるなんつーことも、片方だけ助けるなんてこともしねぇ!」


 大きく息を吸って、叫ぶ。


「俺は――〝全員助ける〟んだよ!!」


 目に映らぬ速度で伸縮自在の魔剣(カラドヴォルグ)を水平に振り、鎌持ちを切り倒す。

 ココンが鎌持ちを助けようと動くが、それを見逃さずに剣を突き立てる。


「グッ!」


「剣術って分かるよな? なら、コイツがただの〝斬撃〟だ、って分かるよな」


 足腰に力を入れ、胴から上をねじり、縦に斬る。

 その技は――


「喰らえ。〝天(てん)割(かつ)〟――ッ!」


 地面ごと、鎌持ちとココンを両断する。

 悲鳴すら上げさせないまま、俺は二撃目の〝天割〟を横に繰り出す。

 遅れてやって来た衝撃は、砂埃すらも斬る。 


〝天割〟によって斬られた〝鎌持ち〟達に、刃状になった砂埃を連れた衝撃波が降り注ぐ。


「――グガァッ!」


「ギッ――!」


〝鎌持ち〟達は動けぬまま、衝撃波を喰らって身体に負荷をかける――


 ………

 ……

 …


 ――再生はするが、遅い。

 もう、ほとんど生きていないだろう。

 敵と定まったからには、容赦はしない。

 戦争は、油断したものが負けだと、創作で教わったからな。


「これが、神樹の実力――」


「すげえな……」


 バルドとアルベルが感嘆の声を漏らす。


「――よし。俺の勝ちだ」


 そう、勝利を確信する。

 しかし、俺はまだ知らなかった。

 喰われた獣(じゅう)蟲(ちゅう)が生き残ると、どうなるかを――

ここまで読んでくださり、本当にありがとうございます!


「面白い!」「続きが気になる!」

そう思っていただけたら、感想や評価をいただけると嬉しいです!


★★★★★やブックマークをしていただけると、作者が飛び跳ねて喜びます!


皆さまの応援が、次のお話を書く力になります。

これからもよろしくお願いいたします!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。