現れた女性二人
現れた二人の女性を見ても金ちゃんはいつもの調子で答えた。
マナベは困惑した顔で黙っている。
俺は逡巡した。もう少し相手の出方を見たい。女性二人には俺の声は聞こえない。だったらと思い、マナベと金ちゃんに頼むことにした。
「マナベに金ちゃん、その人たちにどうしてここに来たのか聞いてみてくれるか?」
「いいすけど。この人ら誰すか?」
「あなた一体誰と話をしているの?」
茶色のスカートの女性が険しい顔で言った。
そりゃそうだよな。見えてなかったらそう思うよな。
「もしかして、本当に何かいるの?」
キャミソールの女性が薄気味悪そうに尋ねた。
「えっ? 何かって?」
金ちゃんが聞き返す。
「ゆ、ユウレイ……とか、いるの?」
「いや、いないすよ」
金ちゃんが速攻で否定する。
確かに幽霊はいないよここには。骸骨ならいるけどね。
「金ちゃんごめん。悪いけどマナベに変わってくれ」
マナベはさらに困った顔をしたが、俺の頼みを聞いてくれた。
「金ちゃん、俺に代わってだってさ」
「あ、ああ、分かったよ」
金ちゃんは不服そうだったが頷いた。
「えっと、あなた方は何しに来られたんですか?」
「あなたたちこそ、どうしてここに居るの?」
茶色のスカートの女性が警戒している。
これでは埒が明かないな。意外にも慎重な2人だと思った。
聞き返されてマナベがまごまごする。
「えっと、俺たちはその……」
「あたしたちは麗良がここにいるっていうおかしなメッセージをもらったから来たのよ」
「レイラって、テアシの事か……」
マナベが呟く。キャミソールの女性が眉をひそめた。
「何よ、手足って」
来てくれた。本当にテアシの母親が来てくれたんだ。
俺は感動した。
「金ちゃん、マナベ、このお二人のどちらかが本物のテアシのお母さんだ」
「え? マジで?」
「じゃあ……。この人たちがあの……」
マナベが2人をじっと見つめる。すると、茶色のスカートの女性が顔をしかめた。
「わたしたちはちゃんと答えたわよ。あなた達はどうしてここにいるの?」
「あ、俺たちはその……。骸骨に会いに来たんです」
「は?」
2人がビクッとする。
「いるんすよそこに」
「いるって……何が?」
「だから、骸骨が2人いるんす」
キャミソールの女性がぶるるっと震えて、目の前に立つ金ちゃんの手をぎゅっとつかんだ。
「あ、あなたたちは何か視えているの?」
「あ、はい。まあ……」
金ちゃんはさりげなくキャミソールの女性の手をほどいた。
茶色のスカートの女性は、ふううっと大きく息を吐いた。
「姉さん、本当に麗良がここにいると思う?」
「だってこの二人はあたしたちには視えないものが見えているんでしょ」
そう言うなりキャミソールの女性は持っていたバッグからスマホを取り出した。
「じゃあ、このメッセージを送ったのはもしかしてあなたたちなの?」
それは紛れもなく俺が送ったメッセージだった。
俺はキャミソールの女性を見る。
この人がテアシのお母さん。
派手だな。そう思った時、テアシが俺の手にしがみついた。




