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5.
「姫様。寝てください」
部屋の外から、ステイシーの声。
「いいじゃないの、ステイシー」
妖精姫は片頬を膨らませる。
「もう、寝坊したら、姫様を悪くしますよ」
「え〜、悪くって?」
にやりと唇は弧を描き、ぴゅ〜と魔法で部屋を片付ける。
「姫様の好みではないお召し物で、お出かけ、と致します」
人差し指がぴたっ。魔法は止まらない、でもお指は止まった。
「え〜、しようがないわねー」
ぽふっと地面に足をつける。ぽふんぽふんと、ステイシーの元へ裸の足。
ふわっと薄く透けた幕を姫の白い手が開ける。
「ステイシー」
「__お一人がお寂しいのならば、私がともにおります。姫様」
おめめをぱちくり。
「ふふ、お誘い?ふふふ、ざーんねん」
幕に触る手、細めた瞳と長い睫毛。桃色の脣は白い歯をいたずらに覗かせる。その艶やかさは妖冶であった。




