第一章 第三十五話 ショッピング
今回は投稿が遅くなり申し訳ございません。
急遽入った予定と体調が優れなく、このようになりました。
文字数も少なめです。
次回からは元のペースに戻せるように致します。
それでは本編どうぞ。
【グランゼッタ】へ到着して一週間が過ぎた。
バロンさんとの鍛錬が始まって以降、これと言った出来事は起こらなかったのだが昨日、ヴェイエさんがこんな事を言い出した。
「うぃんどうしょっぴんぐ…?に行こう」
僕は聞き覚えのない単語に頭を傾げたのだが、ヴェイエさん曰く、息抜きをしよう、ということらしい。
鍛錬漬けの僕に気を使ったのだろうか。
正直なところ時間が惜しい気持ちもあるが、疲れが溜まっているのも事実。
それにバロンさんからも、適度に休憩を取るように言われた。
何でも、成長段階の身体で無理をするというのはよくないらしい。
[運動した方が成長するんじゃ]
内心ではそのように思ったが、この日はいつもよりも早めに訓練を切り上げ、現在僕はヴェイエさんとの合流地点へ向かっている。
「さぁさぁ!!今日は正真正銘の前夜祭!!お安くしとくよー!!」
繁華街のお店には、これまで以上の賑わいが見て取れる。
前夜祭でこの熱気ならば、祭り本番はどうなるのだろうか。
明日にはいよいよ【壮闘祭】が始まり、同時に【グラン・コンバット】も開幕する。
カインさんやバロンさんに競技内容を聞いたが、分からず終い。
なんでも毎年その内容が変わるのだとか。
「今日の内にポーションとか買っておかないとな…」
本番でのダメージが想像できない以上、準備は大切だ。
「待ち合わせ場所は、ここか」
そうこうしている内に待ち合わせ場所となる【グランゼッタ】一の公園へと到着した。
都会の街には物珍しい、自然豊かな木々と澄んだ水が吹き出ている噴水。
奥には子供達が遊んでいる遊具も設置されていた。
「イルファ。こっちこっち」
正面の入り口を通り抜けると、ヴェイエさんはすぐ目の前に居た。
「待たせちゃってすみません」
「別にそんなに待ってないよ。ついさっき来たし」
今日のヴェイエさんは服装が違っていた。
いつもの冒険用の衣ではなく、ハクア村でも時々身に着けていた私服だ。
杖を装備しているが、今日はオフ、と言うのが分かる。
「うぃんどうしょっぴんぐ…ってなんですか?」
「うーんと…買い物…?」
この人、言葉の意味を理解してないな。
何故か疑問形だし。
「それじゃあ行こうか。ハクア村で貰った資金もあるし、リフレッシュ」
「あれ?そういえばカラスさんは?」
「今朝、どっかに飛んでったよ。どうせ散歩みたいなものでしょ」
「散歩かー」
カラスさんは外へ出て何をしているのだろうか。
何か暇潰しをしているのなら想像が付かない。
「イルファはどこに行きたいとかある?」
「薬屋とかですかね。ポーションとか買っておきたいですし」
「なら薬屋から。確か近くに」
目と鼻の先、というように薬屋は、公園のすぐ近くにあった。
店の前に列と言う程ではないが、お客さんは多いように見える。
こうしていると【静嵐祭】を思い出す。
「いらっしゃいませー!!」
店員さんに出迎えるられながら中へ入る。
中は空調設備が整っており、とても涼しい。
「へぇ。今の薬屋ってジュースとか置いてるんだ」
「子供達にも人気ですからね」
店内にいるのは冒険者だけではない。
子供も多いのだ。
公園前に設置されているのも、もしかしたら子供達へ向けてなのかもしれない。
「それにしても安いですね。僕も買おうかな」
この後、歩き回る事を考えたら買っておいて損はない。
僕は残り一つしかない鮮やかなエメラルドグリーンのジュースを手に取った。
「僕はポーション見てきますね」
「分かった。なら購入次第、店の前で」
一度、ヴェイエさんと分かれ、店の奥へと進む。
天井には、それぞれのコーナーを示した看板が垂れており、分かりやすくなっている。
その看板に従い、僕は回復ポーションのコーナーへと向かった。
一個200通貨のポーションが並んでいる。
資金面が潤沢な冒険者ならば、ここにあるポーションではなく、カウンターで注文するハイ・ポーションを選ぶのだろうが、僕の手持ちじゃ、4個だけでお金が尽きる。
「「はぁ…」」
僕と同時に、横からも誰かのため息が漏れた。
「おや。君も冒険者かい?」
「えっと…はい。まだ資格は持ってないですけど」
バックラーと片手斧を装備した男の冒険者。
体格はイルファルドよりも一回り大きく、年齢も10歳は年上だろう。
「君も金銭で悩む冒険者か…お財布事情を考えるだけでため息が出るよね」
男の人は財布を覗くと再び、大きなため息をついた。
どこか気弱そうに見え、装備もとても使い込まれている。
ベテランという事が見て取れる。
「えっと…」
「あーすまない。自己紹介がまだだったね。僕はラッセル。いい年して零細冒険者のおじさんさ」
気さくで話しやすそうな人。
だが、僕には零細冒険者だと感じなかった。
武や魔力を見抜く才能なんて無いのに、と自分でも思う。
でも、この一週間で上がった観察眼は僕にそう訴えかけている。
これを言語化しないと意味無いのだけど。
「零細なんて…それに少なくとも僕にはかなりの手練れに見えますよ。あはは…」
考え無しに出た言葉だった。
そんな言葉が何を感じさせたのか、僕には分からない。
ただ…
「ひひっ…!!」
「っ!?」
全身から感じた危険信号。
紛れもなくラッセルに向けられたものであった。
子供のような無邪気な笑みと純粋な瞳。
悪意はどこにも無い。
「じゃあ…またどこかで」
身体の硬直を感じながら、僕はラッセルさんを見送った。
「今の…」
まるでコープスと相対した時のような、ざわざわが胸に残っている。
「って!!急がないと!!待たせちゃってる」
ヴェイエさんは既に買い物を終わらせ、外で待っているだろう。
僕は急いでポーションを10個程、手に取り先程のジュースも一緒に会計を済ませた。
合計金額は2200通貨。
手痛い出費だが、背に腹は代えられない。
「お待たせしました!!」
「んーお帰り」
店外へ出ると右手にピンク色のドリンクを持った、ヴェイエさんが居た。
ドリンクのカップへストローを刺し、ちゅうちゅう、と音を立てながら飲んでいる。
「それ美味しいですか?」
「美味しい。けど何味かわからない。でも美味しい」
美味しい、という事だけ分かった。
珍しく年相応な笑みを浮かべているし。
「飲みながらメインストリートに向かおうか」
「はい!!」
時間には余裕がある。
僕もヴェイエさんのようにドリンクを飲みながら向かおう。
「いただきます」
ポーションが入った袋を脇に挟み、買ったばかりのドリンクへ、ストローを刺す。
特に味に関しての記載は無かった。
これはどういった飲み物なのか。
そんな期待を乗せ喉へと流し込んだ。
「ごはっ!!」
一言で言うのなら【苦い】。
とてつもなく苦い。
複雑でしっかりと舌に残るような味でした。
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数時間後。
公園前の薬屋にて。
「店長!!特注のダイエット薬がありません!!」
「なんだね…それは…」
「この世のものではない味と言われている薬ですよ!!どこ行ったのか…」
緑色のドリンク。
何でも珍しい薬草がいくつも入っており、効果は折り紙付きという事だった。
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次回 【壮闘祭】
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【神竜族】
神々に属した原初の竜種。
世界の各大陸に1匹おり、天神竜の場合、天空大陸そのものを浮遊させ、全長も世界最大クラス。
モンスターであるが人に危害は加えず、生態系の基盤となっている。
しかし、神竜族が何故、人に危害を加えないのか、現状ではまるで分かっていない。
生物としての枠組みを超越しているせいで争い事や食事を行わない、という仮説を立てる者や数々の陰謀論が囁かれている。
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最後まで読んでいただきありがとうございます。
今回の内容は、正直納得いっていないので加筆するかもしれないです。
そして、明日こちらに世界観解説【神竜族】について加筆します。
一応、プロローグから名前のみ出ていた存在ですね。
今回も誤字、脱字など気兼ねなくご報告ください。
ブックマークやフォローなどとても励みになります。
何卒!!
それではまた!!




