エミリの解説
私達エルフには故郷がある。人間が不死の国と呼ぶ土地だ。
新年を迎える夜に、故郷に祈りをささげる。
私はアルストリアで産まれたので、故郷は知らない。新年の儀式だと思っている。
新年早々、厄介事が舞込んで来た。
学術研究会へママの代理で行く、王国軍からの依頼、ママは両方とも私に任せるつもりだ。しかも、ショウに白夜を渡していた、パパが大切にしていた宝刀だ。
私はママが理解できない時がある。
学術研究会は退屈だった、なぜ学者は要点をまとめてから話さない。
長々と遠まわしに小難しく話す、やっぱり私は学者にはなりたくない。ショウを鍛えて私の代理をさせよう。
魔族は王位継承者を侵略の成果で争っている。その情報の出所はどこだ?
アルストリアと訓練場にあるダンジョンはママが作った。
アルストリアで実験をして、訓練場で実用化させた。当時は兵士の実戦と魔石の採取を同時にできる、画期的な施設だった。
現在は必要なくなっている。
そこに魔族が現われた、ダンジョンを使って何かたくらんでいるな。
推測するに兵士の製造だな、幻獣はダンジョンの外に出ると魔石に戻ってしまう。もしもダンジョンの外でも戦える幻獣を作り出せたら、この国だけの脅威ではなくなる。
ショウが極夜を魔族が持っていたと話した。
半信半疑だったが一緒に来た女の子が、黒い宝石の様な魔力と言い、さらにその子は『予知』のスキルを持っていた。
信じるしかないな、私がママを理解できない時は何かある時だ。
結局、ショウの仲間は王国軍に雇われ、私達も協力しないといけなくなった。
極夜奪還の為にママも本気になっている。ショウを鍛える手間は、ママがやってくれそうだ。
たぶん、死なないだろう、ショウは見た目より丈夫な体をしている。
少しやさしく接してあげよう。




