モノクロの視界
透花は涙を拭いながら
(私は何をしたいんだろう)と呟いた
恐怖を感じても危機感や
感情がわかない自分に
(分かんない)と結論づけるが
(でもこのお姉さんは
嬉しいと安堵を教えてくれた
恩返しがしたい)と
自分を信じ込ませて考えるのをやめた
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
窓の中を覗ける高台を叩き出した夜凪は
「今日は切り上げるか」と
言いながら帰路についた
家についた夜凪は玄関の鍵を開けながら
(紬を救出ねぇ
三葉でも誘うか)と心で呟いて
ドアを開けた
その先には疲れ切った表情の三葉と
頭を抱えるアクターを見て
(まぁたなんかヤッたかぁ)と他人事のように
心で呟きながら三葉に「お前
今度は何をやらかした?」と聞くと
三葉は「偽装ターゲットが味方になちゃった」と
他人事のように答えると
アクターは呆れと怒りが交じる表情で
「あんたが誘ったんだロ」と口にした
二人の掛け合いと今までの会話で
透花の能力を予想した夜凪は
(使えるな)と心で呟くと
「その透花ってのはどこに居る?」と
二人に聞いた
夜凪の疑問に驚くような表情の
二人は「「ここにいる」」と呟いた
眼の前の背景から浮き出るように現れた透花は
「お兄さんなんか用?」と質問した
夜凪は透花をジロリと観察し
「ハハ」と小声で笑うと
「お前の視界はモノクロだな
バディにならないか?
楽しいって感情を教えてやる」と
言って透花を誘った




