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裏方の本領

遠くから戦闘を見ていた夜凪は

三葉が倒れたのを視認して

「大丈夫か」と声を上げて駆けつけた

すぐに脈を取って生存を確認すると

首の歯型を見つけて

(血を吸われたのか)と推測するが

(今は考えるべきじゃねーな)と呟いて

襲撃者の妖怪に焦点を向ける


今も抱きついて離れようとしない

妖怪に「起きるなら起きてくれ」と

声を掛けると「なに」と敵意の混じった声で返事をした


妖怪は夜凪を警戒しながら

「なんで分かったの?」と質問すると

「呼吸が違うんだよ」と答える


夜凪は妖怪の敵意を感じて

めんどくさそうに

「一回は離れてくれねぇか?」と交渉すると

妖怪は少し苛立ちながら

「あなたは命の恩人を

仲間を見捨てるような人に渡す?」と

質問で答える


その答えを聞いた夜凪は

少なくとも

三葉を害することはないと感じて

(後は俺だけか)と状況の整理をすると

「あぁ渡せとは言ってない

ただ人に抱きついたまま殺意を向けても

かわいいだけだなと思ってな」と煽る


妖怪は何かを言おうとしたが

すぐに遮った夜凪は

「力が弱くてな

家に運ぶの手伝ってくれねぇか」と

次の交渉をふっかける


『力が弱い』という言葉に

反応した妖怪は

(あのときは戦闘にこなかったのか)と

理解して夜凪の警戒ランクを下げると

「血が足りない」と情報を渡した

夜凪も察しがついたのか

「ほらよ」と言って首を差し出した


夜凪の血を吸い終わった妖怪は

「ありがとう」と夜凪に感謝した


夜凪はどういたしましてとは言わず

「家はこっちだ」と言って歩き出す

後ろをついてくる妖怪に

「おまえ名前は?」と尋ねると

「赤衣 紬」と答えた

夜凪は「紬ね

俺は夜凪とでも呼んでくれ」と自己紹介をすると

紬は不機嫌そうに「フルネームは?」と質問した

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