受け継がれる痛み
夜凪と雑談をしていた三葉に
二葉は【変われ】と合図を送る
三葉が反応する前に強制的に
入れ替わった二葉は
人の形をした何かが
顎を突き出して迫る姿を視認した
人外のような
速さに二葉は顔を歪め
(きらいな
タイプの妖怪ね)と
心で呟きながら
突き出された顎に膝蹴りを当てると
その状態で上半身をひねりながら
妖怪の腕を掴んで巻き込むと
そのままひねりを加速させてスピンする
その回転を活かして一歩踏み出すと
夜凪の後ろに滑り込んだ
その様子を見ていた夜凪は
「まてまて
俺は不意打ち専門だ」と路地裏に
隠れてしまった
夜凪が逃げてしまったことに
二葉は【なによあれ】と呆れる
三葉は申し訳なさそうに
【仕込ませて】と伝えて
主導権を取り戻した
服の袖から縄を取り出した三葉は
自慢げに【二葉用
三葉お手製ロープだよ】と言って
すぐに体の主導権を入れ替える
三葉は【拘束頑張ってね】とだけ
伝えると二葉を観戦し始めた
立ち上がった妖怪は
三葉の出した縄に警戒しながら
二葉に再び襲いかかった
妖怪は手を振り上げて殴りかかるが
二葉は肘と手首で腕を絡めて動きを止める
もう一つの腕で縄を振ろうと考えた二葉だが
今もよだれを流し続ける妖怪を見て
「そういうことね」と察すると
首を差し出すように抱きついた
チクリと注射のような
痛みが走ると吸着音が鳴る
しばらくして首元の痛みが
消えたのを確認して二葉は
【もういいでしょ?】と言って三葉に変わる
その瞬間
首元の痛みが三葉に押し寄せ
二葉の残した貧血と
妖怪の体重を支えきれず倒れる
夜凪は三葉の姿を見て焦ったように声をかけていたが
三葉はまぶたの重みに
耐えられず(疲れた)と呟いて
意識を手放した
過去作の「共存の灯」も週一くらいで更新していく予定です
今読んでる作品とは作風が違うけど
もし興味があれば覗いてもらえると嬉しいです




