姉の死と残った二つ葉
そんな弟の案に一葉は
【いいんだねぇ
ハイリスクだよ?】とリスクを
強調しながら賛成する
その返事に三葉は
合流しようと口を動かした
その時
ッパン
と発砲音が響き
三葉は「ぁ」と声を漏らすと
電話越しにシュと鳴る血しぶき音が
確信に変わり視界が白く滲む中
スマホを投げ捨て2階へ駆け上がった
廊下までたどり着くと
三葉の視界に男を映し出し
「ッ・・・」と息を殺して忍び寄る
男の背後を取った時
すでに持っていた大きな布を男の頭に被せ
視界を塞ぐと
すぐにタックルをキメる
タックルとはいえ子供の力では大人を倒せず
いまだモゴモゴと布に襲われる男を見て
「フゥ」と息を吐きすぐそこの階段を見て
ボールを蹴る姿勢になると目をつぶり
覚悟を決めて蹴り上げる
トンと柔らかい音が響き
落下する男はドド・ドドと音を鳴らしながら
落ちていく遅れて届いた
「ごがぁ」という悲鳴で少し安堵する
少し緊張がほどけ
「はぁ」と息を吐くと突然
ガラっとドアが開く
三葉は仕掛けを構えて
後ろを振り向くと
視界に映った何かを見て固まる
三葉の視界には
右肩 横腹・・・複数に穴を開けた姉が
ゴフと血を吐きながら現れ
驚いた三葉は「姉さん」と
かすれた声で呼び掛ける
一葉は口を抑えながら廊下に座り込み
何事もなかったかのように
「三葉・・・秘密を」と珍しく
何かを語ろうとするが
「今じゃない」と叫んで一葉を止める
その言葉が合図のように
ッドパ
聞きたくない銃声が鳴り響く
弾丸は一葉の胸にヒットし
服を血が染めていく中
三葉の耳に届く音は
ド・ド・ドドドと早くなる心音と
襲撃者が鳴らす足音だけだった
そんな事実に「秘密は?」と
つい口にしてしまう
その呼びかけに応えるように
倒れた一葉から透明な何かが溢れ出る
一葉の幽霊
あるいは姉妹
一葉とうり二つのなにかが
「続きを語ろう」と口にした
周りには襲撃者がいることすら気にせず
一葉と非常によく似た声のなにかは
「はじめましておトートくん
私は一葉姉に取り憑いていていた
妖怪 一葉姉の妹ちゃんだよ」と
自己紹介をするが
三葉は口をぽかんと開けたまま動かない
その瞳は眼の前にいるもう
一人の姉ではなく
一葉を殺した男を睨んで「〜〜」と
叫んでいた
そんな弟の様子に幽霊のような次女は
「無理もないか」と呟き
話を聞いているはずであろう三葉へ
「一葉姉の約束でね
あなたをいかすことになったの」と語りかけると
「私は人に取り憑く妖怪 白爪 二葉」と自己紹介を続け
「その体借りるね」と
それだけ告げると弟に触れる
次の瞬間 二葉の体が三葉へ溶けていく
黒かった三葉の髪は
一葉や二葉のような白い髪に変わり
女性のように胸まで膨らみ始めていく
瞳の大きさから顔まで姉の形へと
作り変かわっていく
女性になった三葉を操る二葉は
一葉の死体に手を伸ばし「あった」と
言って拳銃を取り出すと
未だ混乱している襲撃者へ振り上げ
ガチャという音と同時にパンと
発砲音を鳴らしバタと
倒れる襲撃者を皮切りに
慣れた手つきでガチャ ガチャ ガチャ ガチャと
発砲し続け最後の一人まで一掃する
味方の血を浴びた生き残りを
睨みながら「誰が主犯?」と
聴くが返事はなく
襲撃者は恐怖のあまり無言で首を振るだけだった
その情けない姿に
二葉はイラつきながら
「一葉姉殺されて気分悪いのよ
早く答えなさい」と拳銃を振って軽く
脅すがそれでも答えられない男へ
「はぁ」とため息を付くと
銃からガチャと音を鳴らし脅すと
「死ぬのが好きなの?」と問う
その問いに何かを感じたのか
否定するように「け・・警察だ」と怒鳴る
それを見た二葉はニと笑みを浮かべ
「よく出来ました」と褒めると
「ここは安全?」と質問する
男は開き直ったように
「まだ 襲われることはない」と自信を持って答える
その姿へ二葉は満足そうに「よろしい」と言うと
あっさり男を逃がしてしまった




