教会の呼び出し2
「ユリアンネさん、お忙しいところ申し訳ありません」
教会にシミリートと共に訪れたユリアンネ。隣の孤児院には足を運ぶ機会も多いが、教会そのものはあまり縁がない。
「いえいえ、シスターの皆様こそ、いつもお勤めが」
「ユリアンネさん、シミリートさんたちのおかげで子どもたちも、冒険者として、商人として成長できているようです。ありがとうございます」
まるで日本人同士のような頭を下げあうことばかりで始まる。
「ところで」
ユリアンネが、相手に本題を切り出せるように水を向ける。
「あ、これは失礼しました。実は」
シスターからのお願い、相談というのはやはり増えた避難民の関係であった。
「怪我をされたり、病にかかられたり。状況的にどうしても多いのです」
「やはり……」
「しかし、私たちの中にはあまり魔法に長けた者がおりませんで」
そもそも魔法が使えるものもそこまで多くない世の中である。いくら神職といっても、回復魔法の使い手が多いとは思えない。
「治療のお手伝いをさせていただければ良いのでしょうか」
「はい、お願いして良いのでしょうか。満足なお礼もできない状況ですが……」
「それは大丈夫ですよ。ダニークたちをここの孤児院に引き取って頂いたことがありますので」
「本来でしたら、治療の際にはいくばくかのお気持ちを頂くことになっているのですが……」
「今の避難民たちではそうもいかないですよね」
「はい……もちろん市中の薬師さんたちにもご迷惑をおかけしないように、余裕ができたときにはお願いします、という体にはしているのですが」




