教会の呼び出し
「それは、なかなか面白そうね」
夕食の際に、シミリートが≪泥沼≫にはまってみた話が、仲間たちに好評であった。
もちろんその後でシミリートには≪洗浄≫も行っているので、そのあとは残っていないのだが、カミラも色々な利用シーンをイメージしているようである。
「他にも範囲攻撃っていうのもすごいわね。魔物や人間でも多数を相手にするときに、魔法を1発だけで、というのは」
「魔力もたくさん使いそうだから、簡単に練習もできないし、本番でも使い所を考えないとね」
ユリアンネが新たに強力な攻撃魔法を習得するということは、“選ばれた盟友”の仲間たちにすれば、自分たちの安全性もさらに向上することである。
「あ、そういえば。ユリ、明日は教会に行ってくれる?来て欲しいって伝言があったわ」
「ゾフィ、分かったわ。でも理由は聞いている?」
「どうも薬かポーションの関係で相談があるみたいよ」
「?」
「避難民も増えて、回復魔法か薬か何かが不足しているのかもね」
「ま、行ってみるわ。ありがとう」
以前に、他の教会でも薬の納品を求められたことはあった。
治療を求めて教会に訪れる人が多い世の中なので、人手不足になっているのかもしれない。
「もちろん、俺もついていくよ」
「シミ……まぁ、ありがとうね」
「魔物の狩りにでも行けば良いのに。治療の役になんて立たないのだから」
「良いだろう?特に大事でもなくあっさり終われば、横の孤児院で子供たちに戦闘を指導するのでも良いのだし」
「ま、頑張ってね」
カミラが何を励ましたのか、本人に伝わっているのだろうか。




