古代語の魔導書3
「いえ、ちょっと待って。もう1人いるわよね?」
ラウキアが魔導書解読の報酬の確認をしてくると、カミラが割ってはいる。
「あなた達で無理でも、あいつなら?」
悪魔ベリスが依代にしている黒い刀身の吸血ダガーを指さすカミラ。
「それはそうだが、ユリが契約もしていない悪魔を使うのか?」
「ま、役に立つならば良いんじゃないの?」「ユリはどう思う?」
「そうね。どうせなら全部がわかる人に教えて貰う方が効率は良いと思うけれど」
『我は便利屋ではないぞ』
ユリアンネが握ったダガーから念話が聞こえてくる。
「そうね。でもこちらの2人より役立つところを見せておかなくて良いの?」
『……めくって見せてみろ』
ラウキアが分からないというところを先に確認し、その場所を開いて、ダガーに見せるようにする。
『この程度、たわいもない』
「ベリスなら分かるそうよ」
「へぇ、やるじゃない。で、ベリスなら何が欲しいのよ」
『ギアマたちよりも強い契約を』
「嫌よ、何か怖そうじゃない」
『では静かにしておいてくれ』
「どういうこと?」
念話なので様子が分からないイライラがカミラにあるようである。電車のなかで、他人が話している携帯電話の向こうの声が聞こえないのに近いのだろうか。
「あ、ごめんね。ギアマたちよりも強い契約を求められたから、それはやめておこうかと」
「確かに悪魔との契約だしね……」
「すでに2体と契約しているのに?」
カミラは何となく分かったようなのに、シミリートがいつものように疑問を口にする。
「「……」」




