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# 第五話 ## 「現実世界、異世界化計画」

# 第五話


## 「現実世界、異世界化計画」


「全員、拘束します」


黒髪の監視者――**世界管理局・ミレイ**の声がロビーに落ちた瞬間。


空気が完全に凍った。


「ちょ、ちょっと待て!」


俺が慌てて止める。


「ここ会社なんだけど!?異世界バトル会場じゃないんだけど!?」


しかし誰も聞いていない。


---


リリアが一歩前に出る。


「勇者様は渡しません」


美咲が静かに続く。


「業務妨害です。あなたの方が問題です」


ルクレシアは笑ったまま。


「面白くなってきたじゃない」


ミレイはため息をつく。


「全員、危険存在認定」


---


その瞬間だった。


ミレイが指を鳴らす。


パチン。


――世界が“ずれた”。


---


窓の外が変わる。


空が紫色に染まり、


ビルの外壁に“魔法陣”が浮かび上がる。


社員たちが悲鳴を上げる。


「な、何これ!」

「現実じゃないの!?」

「会社どこいった!?」


俺は呆然とした。


「いや、会社が異世界化してるんだけど!!」


---


ミレイは淡々と言う。


「現実世界の安定性より、異常個体の排除を優先します」


ルクレシアが嬉しそうに笑う。


「やるじゃない。管理局」


リリアは剣を抜く仕草をした。


「ここで戦うつもりですか?」


美咲はスマホを取り出す。


「警察を呼びます」


「意味ないと思うよ!?」


俺のツッコミは虚空に消えた。


---


その時だった。


ルクレシアがぽつりと言う。


「ねえ勇者様」


「なんだよ」


「選びなさい」


空気が変わる。


「この世界を守るのか」


「それとも――」


彼女は微笑む。


「私たちと異世界に戻るのか」


---


リリアが叫ぶ。


「戻る必要なんてありません!」


美咲も続く。


「この世界にも守る価値はあります」


ミレイは静かに言う。


「あなたの選択で、世界の構造が確定します」


---


俺は沈黙した。


頭が追いつかない。


現実。


異世界。


魔王。


聖女。


監視者。


会社。


全部が同時に存在している。


---


その時。


一人の社員が叫んだ。


「もう帰りたいんだけど!!」


その一言で、空気が少しだけ崩れた。


---


俺は息を吐く。


そして言った。


「……俺、ただの会社員なんだけどな」


ルクレシアが笑う。


「でもあなた、勇者よ?」


リリアが頷く。


「はい」


美咲も頷く。


「間違いありません」


ミレイも言う。


「記録上もそうです」


---


俺は天を仰いだ。


「なんでだよ!!」


---


その瞬間――


会社の床に巨大な魔法陣が現れた。


ミレイが言う。


「最終フェーズに移行します」


ルクレシアが笑う。


「さあ、世界を作り替えましょう」


リリアが剣を構える。


美咲が端末を握る。


そして俺は悟った。


---


(これ、もう“休日だけの話”じゃない)


---


### 次回


## 第六話


**「勇者、会社を救うか世界を選ぶか」**


異世界化する現実世界。

崩壊する日常。


そして勇者は――“選択”を迫られる。


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