# 第四話 ## 「魔王、会社を訪問する」
# 第四話
## 「魔王、会社を訪問する」
「会いたかったわ♡」
ロビーが一瞬で静まり返った。
次の瞬間、
「え、なにあの人……」
「モデル?」
「外国人?やばくない?」
ざわめきが広がる。
その中心にいるのは――金髪の女。
異世界最強の存在。
**魔王・ルクレシア**だった。
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俺はゆっくり後退した。
「なんで……ここにいるんだよ……」
ルクレシアは嬉しそうに近づいてくる。
「探したわよ、勇者様」
「いや探さなくていいんだよ!」
「冷たいわね」
「現実世界に来るな!」
しかし彼女は気にしない。
むしろ楽しそうだった。
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後ろから声がした。
「高橋さん」
振り返ると、リリアと美咲がいた。
リリアは怒っている。
美咲は冷静。
そして三人の視線が交わった瞬間――
空気が変わった。
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ルクレシアが微笑む。
「ふふ……増えたのね」
リリアが睨む。
「あなたは危険です」
美咲が静かに言う。
「異世界の均衡が崩れます」
俺だけが言った。
「会社が崩れてるんだけど!?」
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だが誰も聞いていない。
ルクレシアは一歩前へ出た。
「勇者様」
「な、なんだよ」
「結婚しましょう」
ロビーが凍った。
社員たちの時間が止まった。
「……は?」
俺の声だけが響く。
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リリアが叫ぶ。
「ダメです!」
「どうして?」
ルクレシアは笑う。
「私が一番強いからよ」
美咲が一歩進む。
「強さは関係ありません」
「じゃあ何?」
「先に見つけたのは私です」
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三人の視線がぶつかる。
空気が圧縮される。
会社の空調が負けている。
そして俺は思った。
(これ、終わったな)
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その時だった。
受付の方から声。
「高橋さん……?」
振り向くと、
見たことのない女性社員が立っていた。
黒髪。
メガネ。
控えめな雰囲気。
「その人たち……誰ですか?」
俺は答えられなかった。
だが彼女は小さく笑った。
「やっと見つけましたね」
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「え?」
三人の異世界女性が同時に反応する。
リリア「誰ですか?」
美咲「あなたは?」
ルクレシア「……まさか」
黒髪の女性はゆっくりメガネを外した。
そして――
瞳が金色に光る。
「私は“世界管理局”の監視者です」
会社が完全に沈黙した。
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次の瞬間。
彼女は言った。
「異世界からの侵入者を確認しました」
「全員、拘束します」
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俺は理解した。
俺の休日は――
もう戻ってこない。
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### 次回
## 第五話
**「現実世界、異世界化計画」**
監視者の登場により、全員が拘束対象に。
だが魔王は笑い、
聖女は祈り、
後輩は震えず、
そして勇者は会社をクビになる寸前だった――。




