# 第三話 ## 「会社の後輩は異世界の住人でした」
# 第三話
## 「会社の後輩は異世界の住人でした」
喫茶店。
俺は冷や汗を流していた。
目の前には、
銀髪の聖女リリア。
そして会社の女性社員。
**佐々木美咲**。
「やっと見つけました、勇者様」
美咲は静かに言った。
俺は思わず立ち上がる。
「え?」
「え?」
「え?」
俺とリリアの声が重なった。
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美咲はバッグから小さなペンダントを取り出した。
青く輝く宝石。
その瞬間、
リリアの顔色が変わった。
「それは……」
「知っているんですか?」
美咲が尋ねる。
リリアは震える声で答えた。
「星海の涙……」
俺も知っていた。
異世界アルティア王国の国宝。
王家しか持てない宝石だ。
なぜ現実世界にあるんだ?
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「まさか……」
リリアが立ち上がる。
「あなたも転移者ですか?」
美咲は首を横に振った。
「違います」
「ならどうして?」
「私は――」
彼女は少し寂しそうに笑った。
「異世界で生まれました」
俺は椅子から落ちそうになった。
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「ええええええ!?」
店員まで振り向いた。
恥ずかしい。
だがそんな場合じゃない。
「異世界生まれ?」
「はい」
「じゃあなんで日本にいるんだ?」
「小さい頃にこちらへ来ました」
美咲は静かに語り始めた。
十六年前。
異世界で大きな戦争が起きた。
その時、
まだ幼かった彼女は、
家族と離れ離れになった。
そして偶然開いた転移門に吸い込まれ、
現実世界へ来てしまったのだ。
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「ずっと探していました」
美咲は俺を見る。
「伝説の勇者を」
「俺を?」
「はい」
その瞳は真剣だった。
「あなたなら家族を見つけられると思ったからです」
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リリアも真面目な顔になる。
「勇者様」
「なんだ?」
「手伝ってあげてください」
「もちろんだ」
困っている人を放っておけない。
異世界でも現実でも同じだ。
すると美咲が少し笑った。
「本当に勇者なんですね」
「え?」
「会社では地味なのに」
「余計なお世話だ」
初めて見た。
彼女の笑顔。
思ったより可愛かった。
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その日の帰り道。
俺は気づいていなかった。
少し離れた場所から、
誰かがこちらを見ていることに。
黒いコート。
長い金髪。
赤い瞳。
その女性は小さく呟いた。
「見つけたわ」
そして不敵に笑う。
「私の勇者様」
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翌朝。
会社に出勤した俺は驚いた。
受付が大騒ぎになっていた。
「どうしたんですか?」
同僚に聞く。
すると、
信じられない答えが返ってきた。
「超美人が高橋さんを迎えに来てる」
嫌な予感しかしない。
ロビーへ向かう。
そこにいたのは――
金髪の美女だった。
そして彼女は満面の笑みで言った。
「会いたかったわ♡」
周囲の社員たち。
騒然。
男性社員たち。
嫉妬。
俺。
絶望。
なぜなら彼女は、
異世界最強の魔王だったからである。
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### 次回
## 第四話
**「魔王、会社を訪問する」**
勇者を追って現実世界へ来た魔王。
だが彼女の目的は世界征服ではなかった。
「結婚しに来たの♪」
会社中がパニックになる中、
悠斗の平穏な社会人生活は崩壊していく――!




