表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

2/13

# 第二話 ## 「異世界の聖女、会社に現れる」

# 第二話


## 「異世界の聖女、会社に現れる」


「銀髪の女の子と一緒にいましたよね?」


女性社員の言葉に、


俺は固まった。


「え……?」


「日曜日の夕方です」


彼女は真面目な顔で続ける。


「駅前で見ました」


そんなはずがない。


日曜日の俺は異世界にいた。


つまり――


その銀髪の少女だけが現実世界に来ていたということになる。


背中に冷たい汗が流れた。


「気のせいじゃないですか?」


「そうですか?」


女性社員は首を傾げた。


「でも、すごく綺麗な子でしたよ」


綺麗。


それは間違いない。


異世界一の美少女だからだ。


俺は頭を抱えたくなった。


(リリア……何やってるんだよ!)


---


昼休み。


俺は急いで会社を飛び出した。


向かった先は駅前。


昨日目撃された場所だった。


「いるわけないよな……」


そう呟いた瞬間。


「勇者様ー!」


聞き覚えのある声。


振り返る。


そこには――


銀髪の少女。


白いワンピース姿。


満面の笑顔。


リリアが立っていた。


「見つけました!」


「見つけましたじゃない!」


俺は思わず叫んだ。


「なんでいるんだよ!」


「会いたかったので!」


「理由になってない!」


---


リリアは不満そうに頬を膨らませた。


「勇者様はひどいです」


「いやいやいや!」


「私、三日も会えなかったんですよ?」


「三日?」


「こちらではそうみたいです」


異世界と現実では時間の流れが違うらしい。


リリアにとっては長い別れだったのだ。


「それで来ちゃいました!」


「犬の散歩みたいに言うな!」


---


だが問題はそこではない。


周囲の視線だった。


通行人たちが見ている。


男性たちが羨ましそうな顔をしている。


女子高生たちまでヒソヒソ話している。


「あの子めちゃくちゃ可愛くない?」


「彼氏かな?」


「いいなぁ~」


やめてくれ。


俺は目立つのが苦手なんだ。


異世界では平気なのに。


現実だと恥ずかしい。


「と、とにかく隠れよう!」


「はい!」


---


近くの喫茶店。


俺たちは奥の席に座った。


リリアはキラキラした目で店内を見回している。


「すごいです!」


「何が?」


「魔道具だらけです!」


「エアコンのことか?」


「冷たい風が出ます!」


「文明の力だよ」


「現実世界すごい!」


---


その時。


店の入口が開いた。


そして入ってきた人物を見て、


俺は凍りついた。


「高橋さん?」


会社の女性社員だった。


目が合う。


沈黙。


数秒後。


彼女は俺たちの席へ歩いてきた。


「やっぱり昨日の子だ」


終わった。


完全に終わった。


---


だが次の瞬間。


リリアが立ち上がった。


そして――


「初めまして!」


深々と頭を下げる。


「私は勇者様の未来のお嫁さんです!」


店内が静まり返った。


俺の魂も静まり返った。


女性社員は目を丸くしていた。


そして小さく呟く。


「……勇者様?」


嫌な予感がした。


ものすごく嫌な予感がした。


すると彼女は俺を見つめながら言った。


「高橋さん……」


「は、はい」


「もしかしてあなた、普通の人じゃないんですか?」


俺の秘密が、


少しずつ現実世界で崩れ始めていた――。


---


### 次回


## 第三話


**「会社の後輩は異世界の住人でした」**


秘密を知られたと思った悠斗。


しかし本当に驚くべき人物は、

目の前の女性社員だった。


彼女が見せたペンダントは、

異世界にしか存在しないはずの宝石で――。


「やっと見つけました、勇者様」


現実世界にも異世界の住人がいた!?

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ