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第一話 「月曜日が嫌いな理由」

第一話

「月曜日が嫌いな理由」

金曜日。

午後六時。

俺は会社を出た。

「はぁ……」

今日も残業。

恋人なし。

予定なし。

誘ってくれる友達もいない。

二十五歳。

人生はまあまあ終わっていた。

「帰るか……」

コンビニで弁当を買い、

アパートへ帰る。

テレビをつける。

一人で食べる。

いつもの夜。

だが俺には一つだけ楽しみがあった。

時計を見る。

午後十一時五十九分。

「そろそろだな」

ベッドに横になる。

そして目を閉じる。

次の瞬間――

まぶしい光が広がった。

「勇者様ぁぁぁぁ!」

飛び起きた。

目の前には銀髪の美少女。

さらに――

「勇者様、おはようございます!」

「今日もお綺麗です!」

「朝食の準備ができています!」

美女が五人。

六人。

七人。

囲まれていた。

「おお……いつもの休日か」

ここは異世界。

アルティア王国。

そして俺は伝説の勇者。

現実ではモテない。

だが異世界では大人気。

「勇者様!今日の予定ですが!」

「デートです!」

「私とです!」

「違います!私です!」

朝から大騒ぎだった。

俺は思う。

なぜだ。

なぜ現実ではモテないのに、

異世界ではこんなにモテるんだ。

そして二日後。

月曜日。

会社。

「おはようございます」

「おはよう」

終わり。

誰も寄ってこない。

誰も褒めない。

誰もデートに誘わない。

俺は静かに席へ座った。

その時だった。

後ろの席の女性社員が言う。

「高橋さん」

「え?」

入社してから一度も話したことがない女性だった。

彼女は真剣な顔で言う。

「昨日、あなたを見ました」

「は?」

「銀髪の女の子と一緒にいましたよね?」

俺の心臓が止まりそうになった。

なぜなら――

その銀髪の少女は、

異世界の聖女だったからだ。

第二話「異世界の聖女、会社に現れる」

休日だけ異世界へ行く秘密が、

ついに現実世界へ漏れ始める――。

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