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風吹く先に  作者: アイル
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第11話 絶望の中で

ヒロイン登場



 そこには多数の魔物がいた。グリフォンやトレント、ラフレシアの様な大きな花弁と無数の触手を生やしたギガプラントそしてレッサーフェンリル、大きな牙を持つサーベルグリズリー等。

 どの魔物も脅威度の高い魔物達であり普通の人間では簡単には倒せないだろうレベルを持っている。



「ルンは空に飛んでる魔物を頼む。俺は他を殺る」


『わかりました!』



 祐太はルンに指示を出し荒れてる村へと飛び込む。あちらこちらで血を流し事切れてる人達を見つける。それに顔を顰めながら魔物に向かう。

 魔物達はこちらに近づいてくる祐太を見ると咆哮をあげ襲いかかる。

 まずギガプラントが地面から触手を伸ばし祐太に絡みつこうとする。次いでレッサーフェンリルが右からサーベルグリズリーが左から襲いかかる。何とも洗礼された魔物達の動きと戦略性に少し疑問を抱きながら祐太は懐から炎の様な紅い魔石を取り出しそれを握り割る。


――パキッ


 割れた魔石から炎が巻き上がる。その炎を風で掬い上げ炎風で触手を焼き払う。そしてその炎風は上空へと上がり消える。――この魔石はハストゥールから譲り受けた魔道具の一つである――

 左右から迫るレッサーフェンリルとサーベルグリズリーは祐太が二体に向けて手を翳すと急に倒れる。更にもがき苦しんでるのか身体をジタバタとさせ遂に口から泡を吹き血を流しながら息絶える。それを横目に祐太はギガプラントへと向かう。


――因みに二体が死んだ原因は大気操作により空気濃度を変化させ酸素中毒状態にさせたからだ。逆に無酸素状態にも出来たりする。


 ポツポツと雨が降る。

 ギガプラントは向かってくる祐太に向け更に触手攻撃と花弁から撒きでる花粉をふりかける。

 祐太は触手を風刃で切り裂き花粉を風で避け流す。そして祐太は腕を上げそしてギガプラントに向け振り下ろす。――すると、いつの間にか出来てた雨雲から雷が迸り指向性を持ってギガプラントに落ちた。


――ゴロゴロッビッ!ドシャーンッッ!!!


 落ちた所にいたギガプラントは全身が焦げ炎が上がっていた。



「…よし、上手く出来た」



――や、やめろぉぉ!ぎゃああ!――貴女だけでも逃げてぇ!ぐぅぅうっ

――お父様ぁ!お母様ぁ!!いやぁぁぁ!



 祐太が能力を上手く使えたことで喜んでると少し遠くから男女の悲鳴と女の子の叫ぶ声が聞こえた。

 直ぐに気持ちを切り替え声の聞こえた方へと向かい飛び出す。

風を纏い空を飛ぶ。そして声の聞こえた方へ行くと今、まさに殺されそうになってる少女がいた。



「くっ!間に合えぇ!」



 気合いの掛け声と共に自身を背後に起した風圧で爆発的な加速をする。そして攻撃を仕掛けてる魔物――三つ首の大蛇ケルベロスサーペントに向け横薙ぎの風爆と風玉による乱風で吹き飛ばす。



「しっ!」



 横目で襲われてた少女を見る。両親と思われる男女が護る様に少女の上に折り重なってる。傷の深さと溢れ出る血の量に既に事切れてるだろうと感じられた。そしてその下から覗く怯え震えてる少女は驚いた様子でこちらを見上げてた。



「悪いけど、そのままじっとしててくれ!」



 流石にケルベロスサーペント相手では片手間に倒すことは出来ない。



――此処で改めて魔物の脅威度について説明をする。この世界では魔物の脅威度は数字で示唆されてる。

脅威度一~二はゴブリンや弱いスライム種など一般の兵士や平民でも倒せる魔物である。

脅威度三~四はオークやオーガ等人の種に近いが力が強く強靭な身体を持つ魔物等良く訓練した兵士や冒険者等が相対しパーティを組むことで倒せる魔物達である。

脅威度五~六はグリフォンやキメラの他特殊な能力でパーティを組んでても厄介で倒しにく上位兵士や高レベルの冒険者達でないと容易には倒すことの出来ない魔物達である

脅威度七~八はケルベロスサーペント等の準天災種と呼ばれるものでありここからは高レベル冒険者がパーティを組んでも壊滅するような強さを持ち勇者と呼ばれる人間ではないと簡単に殺られてしまう魔物達である。

そして、脅威度九~十は天災種、神獣種、魔王獣種と呼ばれる国やものによっては世界を容易に滅ぼすことの出来る魔物である。――



「さて…流石にさっきのでやられた訳じゃないだろ?」



 祐太は吹き飛んだケルベロスサーペントを見る。

 やはり、そう簡単に死ぬような強さを持つ魔物ではない。ケルベロスサーペントは全身の筋肉をバネに吹き飛ばされた先から常人では見きれないであろう速さで裕太に飛びかかった。



「…くっ!はぁ!」



 ただ、飛び込んでくるだけじゃなく頭の一つは毒液を一つは溶解駅をもう一つは牙を伸ばし噛み殺そうとしてくる。

 毒液と溶解液は風で受け流さず包むように風で掬い上げケルベロスサーペントの口に投げ返す。更に風玉を噛み付いてくる頭に向けて放つがケルベロスサーペントはそれを尻尾を地面に叩き付ける事で上へと飛び上がり避ける。そして上から更に攻撃を仕掛けるが祐太は一歩下がり腕を上げ振り下ろした。


 すると、飛び上がってたケルベロスサーペントが重力を受けたかの様に落ち地面へと身体を叩きつけられる。



「っ…流石に魔力を喰われるな…」



 そう独りごちる。これは気圧を魔力で固めケルベロスサーペントの上から固めた気圧を叩きつけるものだった。上からかかる気圧を受けたケルベロスサーペントは踠くが簡単には動けなかった。



「ルン!」



 ケルベロスサーペントを抑えると同時にルンを呼ぶ。



『はい!主さま!』


 つい先程まで空中や地上でグリフォンやトレント達と戦い勝利したルンが祐太の元へとツインヘッドドラゴンの姿のまま現れる。

 後ろの方でヒッっと短い悲鳴が聞こえるがスルーだ――



「ルン!こいつを抑えてるからこのまま食ってやれ!」

『わかりました!』



 まるでルンには気圧がかかってない様でケルベロスサーペントへと近づく。ケルベロスサーペントは咆哮をあげるも動けずに終わる。

 そして数秒後綺麗にその場からケルベロスサーペントは消え去りそこにはルンが残った。



「さて、あの子は大丈夫か?」


『いきのこりのかたですか?』


「あぁ、そうだ」



 そうやり取りをしながら少女に近づく。

 祐太は改めて少女を見てそして驚く。血に濡れて顔を青くしてるが整った顔立ちに吸い込まれそうな何処までも碧い瞳に碧い髪。通常であれば健康的な褐色の肌。祐太が前世で生きて来た中でも見たことの無いほど少女としての愛らしさは残しつつ綺麗な存在がいた。




――side 碧い少女



 何時もどおりの日常のはずだった。しかし、違った。これは私が生きて来た中でも絶望的な出来事でそして奇跡的な事だった。


 私達一族は黄迷山こうめいざんと呼ばれる人が寄り付かない所で暮らしていた。此処はとても凶悪な魔物が出てくる高山であり有名な十八迷洞の一つである黄衣の迷洞がある所でもある。

 しかし、私達一族が何故こんな所で暮らせれて居るのかは一族に伝わる水迷の霧結界により村の存在を隠蔽していたからだった。


 今日も一部の一族が狩猟の為村の外へと出た。それが悲劇の始まりだった。

 何時もの様に1時間ほどで帰ってくるはずの人達が戻って来なかった。魔物の危険性を知ってるがため一族では狩猟に出る時間を決めて行動していた。その為、帰ってこない人達を心配し探すために人を決めていたところで村の外にある霧結界が霧散した。


 それに気づいた人が警告をあげ更に何故結界が解けたのかを解明しようとした。

 騒ぎを聞き私も両親と共に家から外に出て村の広場へと走った。そこへ四方から無数の魔物の声と咆哮が響いた。

 結界が解けたことにより村の存在が知られ無数の人の気配と魔力を察知したからだ。

 村の戦士達は勇敢に戦うも凶悪な魔物達によりあえなく散った。戦えない人は逃げるも足の速いレッサーフェンリルや空から襲い来るグリフォン等に捕まり食い荒らされた。


 私達家族は見つからないように水属性魔法による隠蔽をかけゆっくりと村の外へと逃げるが――そこに逃げ道を塞ぐようにケルベロスサーペントが現れた。


 ケルベロスサーペントは私達を感知し攻撃を仕掛けてきた。そしてお父様とお母様は私を護り魔物に殺された。

 自身のあげた悲鳴が他人の声の様に聞こえる感じがした。そしてこのまま私も殺されるのだとゆっくり動く視界のまま自身の死を待った。

 ――しかし、いくら待っても死が私を襲うことは無かった。


 驚きに目を見開く。目の前で吹き飛んでいくケルベロスサーペント。その場に入れ替わるように空からふわりと降り立つ黄色いローブを纏った黒髪の青年と思わしき男の人が現れた。


 その男の人は風を起こしケルベロスサーペントの攻撃を防ぐ。風を起こしてるはずなのに私の方には全く影響を与えてなかった。

 更にケルベロスサーペントが飛び上がり攻撃を男の人に行う。危ない!と声をあげそうになるがその前に起こった現象に声が出なかった。


 飛び上がったはずのケルベロスサーペントが地面に吸い込まれたかのように落ちたのだから…そして上に重りが乗ってるのかと思う程押しつぶされてるケルベロスサーペントがいた。


 何が…と思ってると更に上空からツインヘッドドラゴンが現れた。私は悲鳴をあげた。そして危ないと男の人の心配をした。しかし、ツインヘッドドラゴンが男の人に襲うこともなく逆にケルベロスサーペントに向かった。

 そのツインヘッドドラゴンもスライムに変化しそのスライムがケルベロスサーペントを捕食したのにも驚いた。


 衝撃的な展開が起こりすぎて声も出なかった…。

 そして、男の人は私の方を見つめた…。その男の人の黒い瞳に何故か安心感を覚え私は意識を手放した。



  *  *



「おい、だいじょ…」



 声をかける前に少女は気絶した。



「えぇ…気絶した…いや、まぁ仕方ない、か…」


『主さま、どうしますか?』


「とりあえず無事な家に運び込んで寝かせよう。後は魔物の処理と死んだ人達の埋葬だな…」



 ルンに指示を出し魔物の処理をさせる。必要な魔石と素材は取り除き後はルンのお腹の中に収まった。

 祐太は少女を近くの家の中に運び込み布団と思わしき所に寝かせた。


 そして、村の中へと歩きだした。



「さて、あの子が起きたら何があったか聞かないとな…」



 先の事を考えると少し憂鬱になりながらルンの元へと戻ったのだった。




11話で遂に念願のヒロイン登場

次回はヒロインのあれこれ等


誤字脱字等ございましたら教えて頂けたら嬉しいです。

少しでも面白い、続きが気になると思っていただけたら嬉しいです!評価や感想などお待ちしております!

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