3話目覚めたら悪夢だった3
悠人はうつむいた——六つの目のうち二つを下に向けて——再び自分の体を見つめた。
漆黒の流体の表面はゆっくりと流動し、四本の短い脚がかろうじて体を支えていた。尻尾もまた、流動する黒い霧の塊だった。
その六つの目は頭部と胴体に不規則に配置されており、不気味でありながらも滑稽に見えた。
彼は前に進もうと試みた。四本の短い脚が不器用に交互に動き、体はよろよろと前へ進んでいく。
速度は遅く、散歩中の老人より少し速い程度だった。
十五分ほどかけて、ようやく洞窟から外へ出た。
外は薄暗い空が広がっていた。
赤い雲が低く垂れ込み、空気には硫黄の匂いと血の臭いが混ざっていた。
遠くには天を突く黒い尖塔が見え、地面には骸骨や壊れた武器が散乱していた。
この大地には草一本生えておらず、暗赤色の土壌と果てしない荒廃だけが広がっていた。
「こ、これは……」
悠人の心臓はどんよりと沈んだ。
彼はこの場所に見覚えがあった。
【深淵平原】——プレイヤーが最初に訪れるマップ。しかし、ここは普通の初心者エリアではない。「地獄級スタート」と呼ばれる特殊な区域だった。
通常、プレイヤーはここで生まれることはない。
最高難易度を選んだか、特殊なイベントを引き起こした狂人だけが、ここに現れるのだ。
そしてここのモンスターは……
「最低でもレベル20以上……」
悠人は絶望を感じた。
今の自分は何だ?レベルすらない一匹の擬態獣だ。
戦闘どころか、通りすがりのモンスターにでも簡単に殺されるだろう。
六つの目が無力に瞬き、黒い流体のような体が微かに震えた。
その時、地面が突然揺れ始めた。
悠人は恐怖のあまり遠くを見つめた。六つの目が同時に地平線上の異変を捉えた——土煙が立ち上り、無数の黒い影が必死に逃げ惑っている。
それは獣の大群だった。数万の魔物たちが、まるで何か恐ろしい存在から逃れるかのように、必死に逃走していた。
そして、その大群とは反対の方向に、金色の光が天に向かって立ち上った。
その光柱はあまりにも眩しく、数十キロ離れていても、悠人の六つの目を刺すように痛めつけた。
続いて、恐ろしい気配が押し寄せ、彼の弱々しい体は思わず地面に伏せ、四本の短い脚が震え上がった。
「あれは……」
終わった……
光柱を見た瞬間、悠人は絶望した。
希望を象徴するかのようなその光は、死を告げる弔鐘だった……




