第2話目覚めたら悪夢だった2
佐藤悠人、二十歳。某三流大学の二年生。
昨夜は待ちに待ったオープンワールド『クライム・キングダム』の最終章を徹夜でクリアし、午前3時についに力尽きて眠りについた。
そして今——
「転生したのか?」
悠人は思考を整理しようとした。標準的な日本のACGファンとして、
彼は「転生」という概念には慣れ親しんでいる。ただ、こんなことが本当に自分に起こるとは思ってもみなかった。
さらに思いもしなかったのは——
「擬態獣!」
彼は心の中で大笑いした。
彼は自分の今の姿に見覚えがあった。
『クライム・キングダム』の中で最も底辺で、最も弱く、最も馬鹿にされている魔物——擬態獣。
彼らは鋭い爪も毒液も魔法も持たず、基本的な噛みつき攻撃すらできない。なぜなら口がないからだ。
唯一の能力は外見を変えることだが、それも外形のみであり、能力を複製することは一切できない。
ゲームデザイナーが数合わせのために作り出した産物だ。
そして今、彼はそんなものになってしまった。
悠人は擬態獣が好きだった。強いからではない。まったく逆で、弱いからこそだった。
『クライム・キングダム』というゲームを、彼は丸二年間プレイし、ほぼすべての職業と種族を試した。
しかし最終的に、彼が一番好きになったのは、初心者村の外の丘で、すべてのプレイヤーに無視されているあの擬態獣だった。
なぜか?
現実生活において、彼は選択できない人間だったからだ。
成績は平凡、容姿は平凡、家庭環境は平凡。特別な才能もなければ、遠大な理想もない。
彼の人生は敷かれたレールのようなものだった——適当に卒業し、普通の仕事に就き、普通の生活を送り、そして普通に年老いていく。
彼には選択する権利などなかった。なぜなら、彼に与えられた選択肢はいつもごくわずかだったからだ。
しかし『クライム・キングダム』の中で、擬態獣は彼に新たな可能性を示してくれた。
彼らは誰にでもなれる。
能力を複製できず、単なる外見の偽装に過ぎないとはいえ、この「誰にでもなれる」という可能性自体が、無限の魅力を秘めていた。
このゲームの設定では、十分に賢く、慎重であれば、擬態能力を利用してどこにでも潜入し、誰にでも取って代わり、どんな役割でも演じることができる。
武力で世界を征服するのではなく、偽装と知恵によって世界に浸透していくのだ。
レベル上げにあまり時間をかけられない人々にとって、このようなプレイスタイルはむしろ適している。
悠人はかつてフォーラムであるスレッドを見たことがある。タイトルは「もし擬態獣になれるとしたら、どうする?」というものだった。
返信はさまざまだった。貴族、王、勇者……
悠人はその時、しばらく笑ってから、真剣に自分の返信を書き込んだ。
「俺はなりたい誰かに変わって、生きたい人生を生きる。俺にとって擬態獣の最も強力なところは、他人になれることじゃない。自分が本来の自分でなくなることができることだ」
選べない人生にとって、擬態獣こそが無限の可能性を意味していた。
そして今、彼は本当に擬態獣になった。
今の彼は、佐藤悠人という平凡なアイデンティティを捨て、未来のない将来を捨て、変わり映えのしない人生を捨てることができる。
彼は誰にでもなれる。どこにでも行ける。何でもできる。
この世界——『クライム・キングダム』の世界は自由度の高いオープンワールドであり、あの狭い檻のような地球よりもはるかに広大だ。
バレさえしなければ、彼は誰にでも取って代われる。
十分に慎重で、忍耐強ければ、一歩一歩この世界の頂点に登り詰めることができる。
そして頂点に立った時、誰が彼が擬態獣だったことなど気にするだろうか?
そう考えた時、悠人の六つの目が同時に輝いた。
「決めた」
彼は心の中で自分に言い聞かせた。
「擬態能力を使って、この世界で生き抜いてやる。最下級の魔物として細々と生きるんじゃない。誰かとして——『誰か』として」




