再会
「おぅい、キヌコ、クジタしらねっか?」
「クジタなら、カクシあやしにさ、外に出てったど。」
「キクコとホープはよく寝てるでな。」
「ホープはとんかく、キクコはあまり夜泣きせんから、今もチチさ吸ったらコロンと寝てしまた。」
「そが、それならよかっだ。キヌコも寝ぇ。おでがクジタとカクシ待っでるから。」
「なんら先に少し横さなろうかね。」
「ああ、休んどけ。」
「にしても、カクシはよぐ泣ぐなぁ。」
「でも、クジタがいいにぃちゃんしでくれっがら、助かっとる。」
「だなぁ。おでには出来すぎだ子だよ。」
「あんだが、いい父親だから、クジタもえぇ子になっだ。ありがどな。」
「照れっでねーか。寝てまえ。」
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とっちゃんと、レビルさんが作った牧場の入り口。
腕の中にはまだ幼い弟のカクシを抱きしめながら、そっと腰掛ける。
「カクシ、泣きすぎだぞ。少しは遠慮しろ。」
『仕方ないでしょ、この体だと泣くしか出来ないんだから。』
端から見れば僕が独り言を言ってるようにしか見えないだろう。けど、僕はしっかりと会話をしているのだ。この生まれて間もないカクシと。
『でも、まだ私が念使えてよかったわ。』
「まぁ、生まれ変わってからそんなにたってないからじゃないの?どちらにしろ天狗族同士にしか使えないし。」
『アンタ、鬼になったんでしょ?』
「そうなんだけどな。だから僕からは念は送れないよ?何故か受信は出来てるけどね。」
『アンタが、僕って言うの、なんだがいまだになれないわ。』
「いい加減、なれてくれ。お前も男に生まれ変わったんだから、言葉使いを考慮してくれ。」
『喋れるようになったらちゃんとやるわよ。』
「今から癖をつけとけ。」
『はいよ、お兄ちゃん。』
「・・・・まさかアナタのお兄ちゃんになるとは、思いもしなかったよ。」
『私もアンタの弟に転生するなんて、考えもしなかったわ。』
カクシの涎を布でぬぐう。
『あ、ありがと。すぐ涎でるんだもん。嫌になるわ。それにすぐ眠くなるし、なんて燃費の悪い体なのかしら。』
「仕方ないだろ、赤ん坊なんだから。あ、あと僕がオムツ交換するとき念での暴言と、激しく泣き叫ぶのやめてくれ。」
『叫ぶに決まってるじゃない!友達にオムツ変えられるなんて嫌よ!それにいつもの人が微睡んでるときに交換してくるでしょ。それも嫌。』
「仕方ないだろ。出てるんだから。お尻がただれたら困るし。諦めろ。アナタは赤ん坊なんだから。」
『うー、ハイハイ出来るようになったら覚えてなさいよ!』
「まだまだ先の話じゃん。まずは首が座ってから言え。」
久々に、姿形は違うけど、友と呼べる相手に再開出来たことは、驚きもあったが、正直に告白すると、とても嬉しい。
「なぁ、『私』が死んだ後、あの両親はどうだった?」
『少しはショックだったみたいね。お父様の方は更に酒にのめり込んで死んでいったわ。お母様のほうは・・・音信不通になってから、わからないわ。』
「そっか。」
あのクズ両親、少しはまともな天狗にでもなると思ったら、そうはいかないらしい。
「そういえばアナタの最後はどうだったの?」
『普通に老衰。曾孫まで出来たのよ。』
「そう。じゃあ、あの彼と結婚できたんだ。」
『なわけないわよ、未婚で母になったわ。』
「そっか。」
初めてカクシから念を受けた日、僕はかなり動揺した。気がつかないふりをしていたら、それをいいこと僕の事を笑わせようと面白い話ばかり送ってきてさ。
僕がいきなり笑い出すもんだから、タケルにーちゃんは『ストレス頭がおかしくなったのかも!』と、必死に心理テストを繰り広げてきた。
その日から、僕はカクシを人目につかないところで説教だよ。全く手のかかる親友だ。
『ふぅぁ』
「もう眠くなってきたろ。」
『アンタが定期的に揺するから眠くなるのよ。』
「一応、眠るようにあやすため、ここに来てるからな。」
『・・・・明日もまたいっぱい泣いてやるわ。』
「程々にな。かーちゃんを困らせるなよ。」
『アンタが飛んでくればいいのよ。』
「馬鹿言ってないで寝ろって。」
『うん。・・・・ありがと。』
そして、カクシは目を閉じると、すぐに寝息をたてる。
涎を拭い、起こさないようにして立ち上がる。
神を呪ったこともあった。
けど、今は少し感謝している。
今の両親と会えたこと。
死ぬはずだったのに、今こうして生きていること。
そして、大切な友と会えたこと。
僕の天狗生・・・いや今は鬼生か。そんなに悪くはないな。
人生ではないので鬼生




