氷室と地下貯蔵庫作り
氷室・・・スッゴい昔にとある番組で当時5人組だった有名人達が作っていた気がする。
その時は池を凍らせて、氷を作って、その氷を藁かおが屑に包んで保管していたような記憶が薄らとある。
氷に関しては、北の路から海へ行けば手に入る。・・・・粉々になっていると思うけど。
なので、俺達が作る氷室はどうやったら、氷が溶けにくい部屋を作ることが最優先事項だ。
俺の国にあった冷蔵庫は、もちろん電気がないとただのプラスチックの箱。確か、昭和初期は氷売りがいて、各家庭に『こおり~こおり~』と売り歩いていた。それを木の箱に入れて物を冷やすという極至って手シンプルな物。
どうせ地下室を作って、一部屋丸々氷置き場にするのだから、壁自体を氷が溶けにくい物にしたい。
うーん、鉄の部屋かぁ・・・いや、鉄は鉄鉱石が少なく、壁作りが出来るほど材料はない。って、なると、石製・・・。石かぁ。レビルさんなら石を切り出して引き詰めることは簡単だろう。だけどなぁ・・・。なんかこう、しっくりこないんだ。
かといって、方法もない。
こう言うときはハナに相談だ。
「え?石で良いわよ。というか、今ある資材の中では石しか無理ね。」
石に決定した。
レビルさん、すいません。石の切り出し、よろしくお願いします。
ビールを飲む為には、氷室を作って、樽を作って、大麦を加工して・・・・あ、ホップも探してこなければ・・・。いやぁ、飲めるのは来年かな。
洞窟掘りは一時中断している。今は、入り口から5mほど下、そこから横穴を広げ始めた。これ以上低い場所だと移動も大変だし、地下水が出てくる可能性もある。これ以上浅いと、地盤沈下が怖いとのこと。
Minec●aftだと、チョロいんだけど、現実世界はそうもいかない。
因みにレビルさんとカムイの計画では、10m×10mくらいの地下室を4つ作る予定だそうだ。
1つは氷室、1つは野菜地下倉庫、1つは酒蔵、1つは発酵食品置き場。
俺には止める権利はない。何故なら、『そうだ、地下室を作ろう』なんて、俺の身体能力では思いつきもしない。この2人は思いついたことをそのまま体現出来るから、凄い。
でも、最近の拠点の拡張っぷり、既に拠点ではなく村のようになってきている気がする。
一体、この拠点の住人達は今後どんなライフプランを描いているのか。
穴掘りの魔王は4日で、横穴空間を拡張した。
「明日からは、石切をせねばな。」
よくもまぁ、こんなに早く掘りきれるもんですよ。
この人なら、材料さえあればネズミが支配する夢の国を一ヶ月で作り上げてしまいそうだ。
俺は、ハナに聞きながらビール造りに着手していた。まぁ、難しい。工程が多い。これなら今作っているワインの方がやりやすい。
うーん、諦めるか?
いや、でも飲みたい。
しかし、『炭酸を逃がさないように保存する』ってのが、やはり木製だと難しい。
やっぱりガラス瓶が必要なのか・・・。
「なぁ、シャイン、ガラス瓶って作れる?」
「え?ガラス?・・・作れると思うけど、材料集めたり、もう一つ炉を作ったり・・・準備だけでも結構時間かかる。それ、早急に必要なこと?」
・・・大人の欲望だけで作りたいとは、口が裂けても言えませんでした。
「うん、ならいいんだ。」
ビール作りは追々考えるとして、まずは氷室作りを考えよう。
更に3日後、いとも簡単に地下室全てが完成してしまった。
「タケル殿!氷を取りに行って参ります故、アニーとサニーをお借りしますぞ。」
「あ、はい。」
「楽しみだぁ、どんな味がするんだぁ~。」
レビルさんとカムイからの麦酒プレッシャーが、ぱない。
どうしよう・・・。
「なぁ・・・ハナぁ・・・どうしたら良い?」
「・・・知らないわよ。作り方は教えたんだから、レビル達に相談してみれば良いじゃない。」
米期から麦酒期になった俺のことを、ハナは呆れているので、返事も素っ気ない。
「ねぇ、タケル!麦酒のできあがりはいつになるの?」
更に追い打ちプレッシャーエルフ。
・・・俺だって飲みたいけどさぁ、色々手順が多くて・・・。
こうなったらやっぱり、レビルさん達に相談してみよう。
「ガラス製造・・・でありますか。」
「麦酒作りで必要な原料は主に3つ。『水』・『大麦』・『ホップ』なんです。ホップは、薬草農場にあったので、使えます。」
「なら、もう出来るのですな。」
「それがですね、麦を少しだけ発芽させて乾燥させる『製麦』。これはもうやり終わりました。次にその麦を細かく砕いてお湯に浸して濾過します。まだやってないけど、これも出来そうです。」
「ふむふむ。」
「その麦汁にホップを加えて煮にます。その後、樽にその煮汁を入れて、酵母を入れて冷やします。ここで、氷室が必要です。」
「ふむふむ。出来そうですな。」
「で、更に熟成させて、濾過をし、ガラス瓶に詰めて保存します。ここまでが麦酒作りの行程です。」
「ふむ。聞く限りだと、問題なく出来そうであるが・・・。要は瓶の入れ物を作れば良いのであるな?その為の炉と材料を集めれば良いと。」
「それはそうなんですけど、ガラスを作るための材料がですね。集めるのが大変みたいなんですよ。」
「ガラス・・・はて、そんなに大変でしたかな。砂利に混ざっている透明の石と、石灰石、炭酸ナトリウムがあれば出来るのではなかったか?」
俺より詳しい。
俺もハナに聞いて初めて知ったのに。赤ふんどしを繕いながら身につけている人とは思えないくらいの博識ですね。
「炭酸ナトリウムなんてこの世界で作れるもんですか?」
「鉱石があるではないか。拙者とシャインがずっと採り続けておる、あの白い鉱石ですぞ。」
「え?そうなの?」
「そうである。今まで、色んなところで使っていたではありませぬか。」
そうだったのか・・・。
「石灰石もためてあるので、炉さえあれば出来ますぞ。」
「なら、ガラス工房作り、レビルさんに任せてもいいかな?」
「無論。麦酒のために拙者は一肌脱ぎましょうぞ。」
大変だと思っていたのに、あっという間に麦酒作りの道筋が見えてしまった。
こうなったら腹をくくって、作るしかないな。
「タケル殿に拙者からお願いがある。」
珍しい。俺からお願いすることはあっても、レビルさんからのお願いはそんなにない。
「もし、麦酒作りに成功したら、葡萄酒や日本酒、果実酒や穀物酒なども是非とも試していただきたい!拙者、実はお酒が好きなのであります。」
うん、知ってた。
シャイン達が持ってきたワイン、ひたすら飲んでいたのもレビルさんでしたもんね。
「うん、やってみます。冷やせる酒蔵も出来ることだし、やってみますね。」
「本当であるか!拙者、俄然はりきります!!」
・・・・次の日には、ガラス工房が出来ていた。
なんなら、シャインが既にガラス瓶の試作に入っていた。
レビルさんの酒への欲望は思ったよりもガチだったんだな・・・・。これはいけない欲望の扉を開けてしまったのかもしれない。
・・・・頑張って、麦酒、作ります。
酒の工程も難しい




