もっと北への探索
ハナ暦6/11
初回北路探索から7日後。
本日は2回目の探索。
一昨日まで雨が降っていたが、昨日と今日はよく晴れている。道がぬかるんでないかが、やや心配。
朝食を終え、準備が出来た俺達は北路を歩く。
メンバーは前回と同じ。ダイヤの強い希望により、ルビーはまたのお留守番。
前回伐採された木の根はレビルさんによっていつもの如く綺麗に整地されていた。なので、整地されている範囲はは歩きやすく、1時間で3㎞は行けるだろう。
心配していた道も、雨の影響は少なく、問題なく歩けた。
順調に進み、前回の伐採中断ポイントまで来た。またここから魔王&鬼の掛け合いが始まる。
掛け合いとともになぎ倒されていく木々。
鳥は次々飛び立ち、ウサギやリスが一目散に逃げていく。彼らにしてみりゃ侵略者だもんなぁ。ごめんよ。
5㎞地点ほどから、雪が残っている箇所が現れ始めた。俺達は一応寒さ対策はしてきているので、今のところは大丈夫。
更に1㎞ほど進むと、空は曇り、僅かに雪が舞っていた。
「まだ雪が降ってるよ。」
「そうね、防寒具用意しておいてよかったわ。」
「このくらいの寒さ、ヒー●テックがあればこんなに厚着しなくてすんだものを。」
ついついぼやいてしまう。今、俺達はシャツの上から鹿のベストを羽織り、更に猪の毛皮を纏っている。重いしかさばるし、ほんと動きにくいのだ。
「ヒート●ック・・・あぁ、UNI●LOのあの商品ね。」
「え?ルルの時代にもまだUNI●LOあるの?」
「あるわよ。ヒート●ックもタケルの時代より保温性能は向上してるけど、まだ人気商品よ。高齢者から幼児、犬やネコに至るまで?みんな着ていたわ。」
「へぇ、それは凄いな。」
「何々?2人で盛り上がってるの?」
ルルが俺とハナの話にひょっこり入ってくる。
「ヒート●ックの話。」
「へぇ、タケルの国にはそんな便利な服があるんだ。」
え?聖霊達が翻訳出来たの?聖霊達でわかったの?
「因みに、どういう風な聖霊翻訳になってる?」
「『超極薄高性能保温下着』って、タケルは言ったけど。」
おぉ、ほぼほぼ合っている。やるじゃん聖霊。
「でも、羊がいればセーターなんか編めるのにね。」
「確かにな。もし、出会ったら捕まえようか。」
「そうね。羊は寒い山や森にいるみたいだから。」
「水鳥の羽を集めてダウンとか作れないかな?」
「合成繊維はないけど、やってみる価値はありそうね。」
「なにそれ。それも暖かそう。」
「因みにどんな翻訳?」
「『鳥羽式保温上着』。」
あぁ、いい線いってる。最近の聖霊達はいい仕事をする。
「そういや、聖霊達に頼んで翻訳範囲を広げることできたの?」
「一応、拡張のまじないは唱えたんだけど、風の聖霊から強い抵抗にあって。」
「へー、抵抗するんだ。」
「そうなのよ。唱え出したらいきなり突風が吹き出して。それでもなんとか唱えたら、収まったんだけど。」
「俺達の人数や言語の種類が増えたから、聖霊達も疲れたのかもな。今度、果物でもお供えできる祭壇でも作るか?」
「要らないわよ。置く場所ないもん。」
そっか。なら、気持ちだけでも感謝しておこう。
歩き出してそろそろ3時間。先ほどよりも寒さは増してきている。
ダイヤ達は平気そうだが、俺とルルとシャインは流石に寒くなってきた。ルル曰く、0度だそうだ。寒いわけだ。
まだまだ北路は続いているが、元々の計画通り3時間がたったので、俺達は拠点へ引き返した。
にしても寒い。
やはりもう少し防寒具を考えなくてはならないか。
拠点を目指し、帰路につく。
昼食にロースト鹿肉のサンドイッチを作ってあったが、歩きながら食べることにした。こんな寒いなかで腰をおろして昼食をとるのは、体が冷えてしまうと判断したからだ。
拠点に近づくにつれ、少しずつ気温が上がっていくのを体感する。
俺は元々、寒いのは苦手なんだ。寒いのと暑いのどちらしか選べないと言われたら、間違いなく暑いを選ぶ。
かじかんでいた、手に生気が戻る。足の小指の感覚が戻ってくる。外耳や鼻の頭の痛みが消えた。
北路をより進むためには耳当てや手袋やブーツも必要だ。帽子も出来ればマスクも欲しい。
次回の探索までには間に合わないかも知れないが、少し防寒具を揃えなければ。
ヒート●ック、大事。




