ディディの趣味活動
紙作りが起動に乗ったディディは、いろんな植物を使って紙を作っている。よくも毎日飽きずに没頭しているなと、俺は内心感心している。
そんなディディは何故だかわからないけど、俺達によく質問するようになった。
「タケルは元の国で何をしていた。」
「俺?看護師。」
「ほう、博愛精神があるのだな。クククククククッ」
笑うとこ?笑うとこなの?
また別の日には、
「タケル、趣味はなんだ?」
「え?趣味?読書とゲームだよ。」
「そうか、ゲームか。クククククククッ。」
一体なんなんだよ。
「あ、それ私も聞かれたわ。」
ルルが胡椒の粒をプチプチ取りながら、言う。
「拙者も、下着の色を聞かれたぞ。」
答えたのか、赤と。
「僕も兄弟の数聞かれたよ。」
「へぇ、兄弟がいるんだ。」
「うん。38人。母親はみんな違うけど。」
お盛んなお父様ですね。
それにしても一体、ディディはみんなに何を聞き回っているんだろうか。今のところそれでトラブルは起きていないようだけど、少し話を聞いてみるか。
とある昼食後、午後の仕事を始めるちょっと前にディディのいる紙製作小屋へ向かった。
トントンっとノック。
「ディディ、入るぞ。」
木の扉を開けると、ディディはちょうど草の繊維を潰している所だった。
「どうした、我に何の用か。」
俺の方を見向きもせず、作業の手を止めずそう答えた。
「ちょっと聞きたいことがあって。」
「許す。」
「なんで、みんなにいろんな事聞いて回ってるんだ?」
ストレートに聞いてみた。
「我が?あぁ、初めての挫折、初恋の相手、好きな食べ物とかの話か?」
そんなことも聞いていたのか。
「そうそう。なんで聞いて回ってるの?」
「一言で言えば趣味だな。」
「趣味?」
「そうだ。」
「・・・そうか。ほどほどにな。仕事中、ごめんな。」
それ以上、何も言えなかった。
「ついでにタケルにも質問がある。」
扉を開け、出ていこうとしたら、声をかけられる。
「初めて肉を食べたときの感想は?」
お、おう。なんだその質問は。
俺は覚えていないと行って、小屋から出た。
趣味なら、いいのか?まぁ、トラブルが起きたら考えよう。俺は午後の仕事をすることにした。
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皆が寝静まった夜、我は囲炉裏のある居間にいた。
ここにはハナがいるが、ハナは我に干渉せず自身の作業をしている。
「いつも場所をかりてすまない。」
「いいのよ。」
我はルルが作製した鞄を開ける。その中から『タケル』と表題の書かれた紙と、墨と筆を取り出す。そして今日聞き取った内容を書き込んでいく。
(『初肉の感想は覚えていない』・・・よし。)
『タケル』の紙を鞄にしまい、次に『ハナ』と書かれた紙をだす。
「ハナ、作業しながらでいい。我に、ハナの話を聞かせてくれないか。」
「今夜も?いいわ。」
ハナがいた国は私の想像をはるかに越えた国た。空を飛ぶ鉄製の荷車や、地上8000mの高さの住居。地下には自動で動く鉄製荷車が走り、人を輸送している。ハナ自身も機械であること。情報通信で国中の人が会話出来ること。
時々、ハナに絵を描いて説明してもらうが、このような箱が自由に動き回る国、我が2055年の歴史の中にも存在しない。
シャインの国も面白い。鉱山の近くに村を作り、女子供関係なく鍛冶仕事をするとは。我が国では女子供は守られる存在であった。それに山の中には竜という巨大な羽の生えたトカゲが生息し、年に一度、生け贄を捧げるという古風な事もしていた。もし、シャインがあの国にいたら、数週間で生け贄にされていたという。
ルルの国は『魔族』というキテレツな野性動物が出現していたそうだ。これは推測の範囲だが、ルルの種族も魔族と言われていたのではないかと考えている。様々な呪いを唱えることが出来る、それだけで人から畏怖され攻撃される理由はあるだろう。
カムイとキヌコの国は、それほど大きくない島。先祖は最初は違う大きな島にいだが、迫害され移り住んできたそうだ。カムイの種族の血や骨には特別な効果があり、それを狙ったもの達が度々襲ってきていたそうだ。
レビルはなかなか口を割らない。生まれた国を聞いても、空の上などと誤魔化される。赤い下着をつけている癖に。クククククククッ。
タケルも国の事をあまり話さないが、己の好物や趣向などは惜しみもなくさらけ出す。
いやいや、本当に面白いものよ。
我は本があれば何処でも生きていけると自負している。しかし、ここには本がない。
『ないならば作ればよい』
彼らの生き様を垣間見、我の考えはソコに至った。今、我が皆から聞いているのは、本を作る時の思考材料。そうそう取材みたいなものだ。
もっと話を聞き、我は我にしか作ることの出来ない本を作り上げる。その時は、皆にも見せてやろう。我の物語を。
同人活動真っ盛り




